森ビル株式会社と共同開発した
「スーパーダブルデッキ」を搭載したエレベーター
2004年12月16日、上海環球金融中心で着工
オーチス・エレベーター・カンパニーは、上海環球金融中心の頂上にある世界で最も高い屋外の展望階へ通じるエレベーター他、エスカレーターなど64台を受注した。
上海環球金融中心は、中国政府が国際金融商業の最優先地区としている浦東地区内に建設される。
オーチス・エレベーター・カンパニーのアリ・ブースビブ社長は、「上海環球金融中心は中国の目覚しくかつ急速に成長するインフラ整備の新たな事例であり、オーチスはこの開発におけるパートナーとなることを誇りに思います」と述べた。
またアリ・ブースビブ社長は「お客様が我々のスーパーダブルデッキエレベーターの技術を評価し、信頼して下さったことに感謝しています。当社にとって中国における我々のビジネスの記念碑的なプロジェクトとなるでしょう。」
101階建の高層ビルは、オフィスや約170室の6つ星ホテル、展望デッキ等を擁する。完成すれば上海ワールドファイナンシャルセンターは世界一の高さになると見込まれる。
森ビル株式会社がこのプロジェクトを開発しており、本体工事は中国の中国建築工程総公司と上海建工(集団)総公司のジョイントベンチャーが手掛ける。設計はKohn
Pedersen Fox (KPF)が担当する。KFPは世界的に著名な高層建築設計専門の建築設計事務所である。竣工は07年を予定している。
オーチスは31台のエレベーター、33台のエスカレーターを受注し、中国で最も新しいランドマークになる建物で重要な昇降機の多くを据付けることになった。31台のエレベーターのうち16台はスーパーダブルデッキエレ−ベータ−であり、東京のランドマークである森ビル株式会社の六本木ヒルズのために開発された世界で初めてのエレベ−ターと同じタイプのものである。
このスーパーダブルデッキエレベーターは、多くの利用者を同時に目的階へ運ぶことが出来るためにビルのスペースの効率化に役立つ。もっとも顕著な特徴は、スーパーダブルデッキが、階高の異なる階床にも使用できることである。
オーチスが受注したエレベーターには6台のダブルデッキエレベーターと、7台の機械室レスのGen2™もある。ダブルデッキエレ−ベータ−の内の2台は展望階までのシャトルエレベーターである。このビルのエスカレーター33台はすべてオーチスが納入する。
■「スーパーダブルデッキ」の特長
「スーパーダブルデッキ」は、従来のダブルデッキが一つの大きなかごを水平に区切って2階建て式にしていたことに対し、上下に並んだ2つのかごをパンタグラフによってつないだ機構です(図1)。
スーパーダブルデッキは
(1)パンタグラフを伸縮してかご間の距離が自由に変えられる(図2)ため、
階高のちがう建物にも設置可能
※可変距離は約2メートル
(2)10キロワット程度の小型モーターでパンタグラフを伸縮するため省エネ機構
という2点を実現しています。
<ご参考>
ダブルデッキエレベーターについて
◎基本的な運行ルール
ダブルデッキエレベーターは1台で2フロアをカバーするので、1階と2階をエスカレーターで結び、奇数階へ向かう人は1階から、偶数階へ向かう人は2階から乗り込みます(スキップオペレーション)。(図1)
途中階からエレベーターに乗った場合は偶数階へも奇数階へも行くことができ、目的階によってフロアを移動する必要はありません(リストリクティッドオペレーション)。(図2下)
また、そのかごで乗り降りが行われていないがもう一方のかごで乗り降りが行われている場合には、ドアを開けずに、エレベーター内のテレビモニターで“しばらくお待ち下さい”の表示を行います。(図2上)
◎ダブルデッキエレベーターのメリット
ダブルデッキエレベーターは1フロアの収容人員数120人以上の大型ビルに適したエレベーターです。
1)大容量輸送が可能
一本の昇降路にかごを上下2台設けることで一度に多くの人を乗せて運行できるため、
オフィスビルにおける始業時前のラッシュアワーなどで長待ちが起こりません。
2)エレベーター設置面積の節約
建物面積にしめるエレベーター昇降路の面積を減少させることは、すなわち有効
スペースの拡大につながります。例えば54階建てで1フロアの面積が6,000m2 (=350人規模)の高層ビルにダブルデッキエレベーターを設置した場合、シングルデッキのみを導入した場合に比べ約30%の省スペースが図れます。さらに坪単価5万円の賃貸ビルでこれを事務所スペースに回したと仮定すると、単純試算で1ヶ月につき約1億5,000万円の増収となります。
■日本オーチス・エレベータ株式会社
会社概要
商号:
日本オーチス・エレベータ株式会社
設立:
昭和7年1月11日
資本金:
43億64百万円
代表者名: 代表取締役会長 アリ・ブースビブ
代表取締役社長 井上 忠幸
代表取締役専務 香川 定紀
本社:
東京都中央区晴海一丁目8番10号 晴海アイランドトリトンスクエア
年商:
725億26百万円(2003年11月期)
従業員数:
2,669名(2004年11月30日現在)
営業種目:
エレベーター(斜行および水平走行式を含む)、エスカレー
(水平走行式を含む)その他の昇降機の製造、販売、取付、保守、修理
および点検
各種ビル設備の監視制御並びにビル管理
建築物の設計、施工、監理及び建築関連手続きの申請
本件に関する問い合せ先
日本オーチス・エレベータ株式会社
法務室 上條明紀(かみじょう あきのり)
下尾友巳(しもお ともみ)
〒104-6012 東京都中央区晴海1−8−10
晴海アイランドトリトンスクエア X棟
電話 (03)6220−1600
FAX (03)6220−1662