2017年米国テック・チョイス・スタディ

J.D. パワーが発表した2017年米国テック・チョイス・スタディで、Y世代以外のすべての世代グループが自動運転技術に懐疑的になっており、自動車メーカーと技術開発者に新たな課題をもたらしていることがわかった。

2017年4月21日

株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック

J.D. パワー

2017年米国テック・チョイス・スタディ

J.D. パワー報道用資料:

ハンドルからの解放は現実的?-自動運転車のテクノロジーに依然として不安を感じる消費者

その一方で、全年齢層のユーザーが運転アシスト機能を受け入れていることが、J.D. パワーの調査で明らかに

※本報道資料は、日本時間4月19日午前2時30分に米国で発表された資料を翻訳したものです。

 (日本発表:4月21日午後1時)

米国カリフォルニア州コスタメサ:2017年4月18日 ー  J.D. パワーが本日発表した2017年米国テック・チョイス・スタディSMで、Y世代(*1) 以外のすべての世代グループが自動運転技術に懐疑的になっており、自動車メーカーと技術開発者に新たな課題をもたらしていることがわかった。

J.D. パワーのドライバー・インタラクション& HMIリサーチのエグゼクティブ・ディレクターであるクリスティン・コロッジは、「ほとんどの場合、テクノロジーの概念が実現化に近づくにつれ、消費者の好奇心と受容度は高まる。自動運転車では、信頼がテクノロジーへの関心を左右する傾向が見られるが、現時点では信頼度合いは低下している」と述べている。

2016年と比べると、自動化技術は「まったく」信頼できないと回答している消費者は、Z世代で11%、ベビーブーム前世代では9%増加している。ただし、2016年の調査と同様に、今年の調査でも消費者は衝突防止と運転アシスト技術という2つのカテゴリーに大きな関心を示している。具体的には、スマートヘッドライト、バックミラーモニター、緊急ブレーキとステアリングシステム、車線変更アシスト、サイドミラーカメラ、ウインドシールド・ディスプレイの、価格提示前に消費者が最も関心を寄せている上位10位の機能のうち6つの機能がそれにあたる。

「自動運転車には多くの利点がある。それには、衝突緩和だけでなく、現代の車両を運転できない消費者が移動の自由を体験できることも含まれている。その一方で、興味深いことに、ベビーブーム世代の40%が自動運転車に何の利点も見出していない。自動運転は、多くの消費者にとって新しく複雑な概念であるため、十分に理解するには直接体験する必要がある。アダプティブ・クルーズ・コントロール、自動ブレーキ、死角検出警報システムなどの機能が主流になるに従い、自動車購入者は自信を持ってハンドルから両手を離し、車両に人的ミスの回避を任せるようになるだろう。」(コロッジ)

主な調査結果

 

●車両制御機能に対する世代間のギャップ

購入意向について、Y世代/Z世代とベビーブーム世代の間に最も大きな差があるテクノロジーを見てみると、若い消費者ほど車両の運転機能を制御するテクノロジーを素直に受け入れている。例として、モバイル端末で操作するインフォテイメントシステム、車載人工知能(AI)をベースとしたアシスト、運転と駐車の自動制御技術が挙げられる。

●価格は度外視

世代間で購入意向に最も差がある技術は5つあるが、そのすべてでY世代/Z世代は価格提示前でも「必ず」または「たぶん」興味を持つと答えており、ベビーブーム世代よりも高い購入意向を示している。

●車両の利用は柔軟に

Z世代は、あらゆる新しいモビリティの形態に最も関心度が高い。Z世代の50%が、モビリティ・シェアリングまたは共同所有(*2)に「必ず」または「たぶん」興味を持つと答えている。また、52%が利用ベース(*3)での所有、 56%が無人操縦(*4)、56%がモビリティ・オンデマンド(*5)に「必ず」または「たぶん」興味を持つと答えている。

●緊急ブレーキとステアリングシステム技術に対する消費者の関心

自動車メーカーと政府の間で間もなく取り交わされる合意によって、5年以内に自律運転の基礎となるテクノロジーである緊急ブレーキシステムは車両に標準装備することが義務付けられることになった。このシステムの最新型(ステアリング含む)に$700を支払ってもよいと回答している消費者は31%と、デジタルキー($250)、ダッシュボード車載カメラ($300)、モバイル・システム・コントロール($400)などの比較的安価なテクノロジーに支払ってもよいと答えている消費者の割合よりも高い。

●利便性には無関心

消費者は、便利だがニッチな技術にはそれほど熱心ではない。衝突防止および運転アシスト関連が、価格提示前に関心度が最も高いテクノロジーのほとんどを占めている。その一方で、エンターテイメントと接続性、および快適さと利便性関連の機能は、価格提示前の関心度が最も低い。

●利便性に対する例外

Z世代の消費者は、従来の鍵やリモコンキーを、スマートフォンやスマートウォッチに置きかえるデジタルキー技術にかなり高い関心を示している。Z世代では合計で40%がデジタルキー技術を次の車両には必ず搭載したいと答えており、58%がデジタルキー技術に$250を支払ってもよいと答えている。これは、すべての消費者の28%と比べて、Z世代の方が高い割合を示している。

今年で3年目を迎える当調査は、未来の技術や新技術について、車種や消費者の属性別に消費者の認知、関心および価格弾力性を調べるものである。当調査で分析される主な技術カテゴリーは、エンターテイメントと接続性、快適さと利便性、運転アシスト、衝突防止、ナビゲーション、燃費である。新しいモビリティ、サイバーセキュリティの脅威などの新たな概念への興味や、自動運転技術への信頼についても調べている。

当調査は、2017 年1月から2月にかけてインターネット調査を実施し、過去5年間に新車を購入またはリース契約した8,500 人以上から回答を得た。

2017 年米国テック・チョイス・スタディSM の詳細については、下記リンクをご覧ください。(英語版)

http://www.jdpower.com/resource/us-tech-choice-study.

当調査の英語版プレスリリースは、下記リンクをご覧ください。

http://www.jdpower.com/pr-id/2017041.

*1  J.D. パワーでは、世代グループを、ベビーブーム前世代(1946年より前に誕生)、ベビーブーム世代(1946~1964年生)、X世代(1965~1976年生)、Y世代(1977~1994年生)、Z世代(1995~2004年生)に分類している。

*2  モビリティ・シェアリング/共同所有:車両の所有にかかる費用と車両の利用を複数の人で共有し、最適化する仕組み。

*3  利用ベースでの所有:ユーザーの利用目的や利用料金に合わせて、まとめて所有している複数の車両タイプの中から柔軟に使い分けて使用できる仕組み。

*4  無人操縦:あらかじめ決められた目的地に、ドライバーなしの自動操縦によって運転されること。

*5  モビリティ・オンデマンド:モバイルアプリ(Uber、Lyft など)を使ったライド・シェア・サービス。

*J.D. パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D. パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。

<J.D. パワーについて>

J.D. パワー(本社:米国カリフォルニア州コスタメサ)は、顧客満足に関するインサイト並びにパフォーマンス改善のためのソリューションを提供している国際的なマーケティング情報サービス企業である。毎年、世界中で数百万人にのぼる消費者やビジネス・ユーザーを対象に、品質や顧客満足に関する調査を実施している。北米、南米、ヨーロッパとアジアに計17の拠点を有する。アジア・パシフィックではシンガポール、北京、上海、バンコク、マレーシアに拠点をもち、日本、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムで調査を行っている。詳しくは当社ウェブサイトhttp://japan.jdpower.comまで。

<ご注意>

本紙は報道用資料です。(株)J.D. パワー アジア・パシフィックの許可無く本資料に掲載されている情報および結果を広告または販促活動に転用することを禁止します。

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