2008年3月31日

メタボを7割が誤解-「健康知識と行動のちぐはぐ度調査」結果概要

2008年3月31日

財団法人健康・体力づくり事業財団

メタボを7割が誤解-「健康知識と行動のちぐはぐ度調査」結果概要

 財団法人健康・体力づくり事業財団(理事長:小澤壯六)はこのほど、「健康知識と行動のちぐはぐ度調査」を実施しました。
 健康情報の氾濫がいわれて久しいなか、本調査は、正しい健康情報の理解度や、健康についての知識と行動のずれなどを分析し、正しい健康情報の提供のあり方を考える一環として、全国の30歳から74歳の一般生活者男女847名を対象に行ったものです(平成19年度独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」助成事業)。
 調査結果の概要は、以下の通りです。尚、詳細につきましては調査報告書をご参照ください。


【メタボリックシンドロームを7割が誤って理解】

 「メタボリックシンドローム」という言葉の認知度は、内容まで知っていると回答した人が80%、言葉だけ知っている人を含めると、99%にのぼりました。
 しかし、その内容が正しく理解されているかを把握するため、15問のクイズ形式の設問にメタボリックシンドローム関連項目をおりまぜたところ、「メタボリックシンドロームでは心臓病や脳卒中の危険がぐんと高まる」ことは84%が認識していたものの、「腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上になるとメタボリックシンドロームと判定される」*1と誤解している人が73%、また、「一度ついた内臓脂肪は減らすのがむずかしい」*2と考えている人が66%を占めました。
 すなわち、85cm/90cmという数値ばかりが一人歩きし、肝心のリスク管理については知識も実践もまだまだの状況がうかがえ、今後の啓発に大きな余地を残しています。
*1;正しくは、腹囲に加え、高血糖、高血圧、脂質代謝異常のうち2つ以上に当てはまるとメタボリックシンドロームと判定されます。
*2;正しくは、皮下脂肪にくらべ内臓脂肪は減りやすく、体脂肪を貯金にたとえると、皮下脂肪は定期預金、内臓脂肪は普通預金といえます。


【知識と行動のちぐはぐが目立つ運動分野】

 本調査では、健康の維持・増進のために一般に推奨されている生活行動を20項目掲げ、その認知度(%)と実践度(%)の差を「ちぐはぐ度」(ポイント)と定義しました。
 ちぐはぐ度の大きな項目、すなわち、知っているが実践していない項目は、「1日1万歩あるく」(ちぐはぐ度70ポイント)、「運動を習慣として続ける」(同70ポイント)を筆頭に、「半年に1回は歯科医院で、歯や歯ぐきの状態を点検してもらう」(同65ポイント)、「エスカレーターなどを使わず、できるだけ階段をのぼりおりする」(同64ポイント)、「腹八分目で食事を終え、おなかいっぱいになるまで食べない」(同62ポイント)、「通常の歯みがきに加え、歯間ブラシやデンタルフロスを使う」(同54ポイント)などが続き、身体活動・運動及び歯科保健分野における知識と行動のちぐはぐが目立っています。
 一方、ちぐはぐ度の小さい項目は、「1日1回は家族や友人と食卓を囲む」(ちぐはぐ度10ポイント)、「朝食をきちんととる」(同20ポイント)、「禁煙している、タバコを吸わない」(同22ポイント)などとなっています。


【ちぐはぐ度は働き盛りの男性で高く、女性の高齢者で低い】

 20項目のちぐはぐ度の平均を性別に見ると、男性48ポイントに対し女性は37ポイントと10ポイント余り低く、年齢別に見ると、60歳未満のちぐはぐ度46~47ポイントに対し、60~74歳は33ポイントと10ポイント以上低い結果になりました。
 ちぐはぐ度が最も高いのは男性の30~44歳で53ポイント(次いで男性の45~59歳で51ポイント)で、おおづかみにいえば、働き盛りの男性の過半数は知ってはいるが実践できていない現状のようです。一方、ちぐはぐ度が最も低いのは女性の60~74歳で、29ポイントと、働き盛りの男性とは20ポイント以上の開きがあります。
 ちぐはぐ度が生じる理由、すなわち健康の維持・増進のために一般に推奨されている生活行動を知っていながら実践していない理由は、「忙しい、時間がない」「意志が弱い」「面倒くさい」に集中しています。


【今後の改善意欲が低い嗜好品(たばこ、アルコール)】

 現在実践していない生活行動のうち、今後の取り組み意欲が強い項目は、「腹八分目で食事を終え、おなかいっぱいになるまで食べない」(20%)、「野菜を1日350g以上食べる」(18%)、
「運動を習慣として続ける」(16%)、「1日1万歩あるく」(14%)などでした。
 一方、取り組み意欲の弱さが目立つのは、「禁煙する、タバコを吸わない」(2%)、「週に1日以上、酒を飲まない休肝日を設ける」(4%)など、嗜好品に関する項目で、さらなる啓発が必要といえそうです。