平成19年12月19日

東京工業品取引所


東工取、次期システムの発注業者を決定
〜OMX社のパッケージソフトを採用した次期システムをNTTデータに一括発注〜

 東京工業品取引所(東工取)は、本日の理事会において、スウェーデンのOMX社のパッケージソフトを採用した次期システムを、株式会社NTTデータに一括発注することを正式に決定いたしました。
 
 東工取は、今後、平成20年度(2008年度)中を目途に、国際標準の取引機能と世界最高水準の性能を備えた次期システムを導入し、アジアの中核的なデリバティブ取引所としての地位の確立を目指します。

 今回、東工取が採用したのは、OMX社の取引パッケージ「CLICK XT」及び清算パッケージ「SECUR」を中核とした次期システムを、NTTデータが、OMXとの協業体制により、導入及び運用を一括契約するという提案です。
 
 OMXは、1984年設立以来、取引所システムのパッケージベンダーとして、海外の多くの取引所において、システムの導入及び運用サービスの提供をしてきています。今回、OMXが提案したパッケージソフトであるCLICK XTは17取引所、SECURは14取引所での導入実績があります。
 NTTデータは、東工取のシステムにおいて、平成3年に稼動した初期システム、平成15年に更改した現行システムの開発及び運用を担当してきており、17年以上にわたる実績及びノウハウがあります。
 
 東工取は、この次期システムの導入を、平成20年中を目途に行う会員組織から株式会社への変更と並ぶ最重要施策の一つと位置づけており、OMXの国際的に評価の高いシステムとNTTデータの優秀なシステム構築・運用技術が融合した次期システムを通じて、国内外の市場参加者に対するサービスの迅速化、効率化及び多様化を図るとともに、世界のデリバティブ市場における地位を一層強化し成長してまいります。


(参考)

● 業者選定までの経緯

 東京工業品取引所は、平成19年7月10日の臨時総会で、以下のとおり、次期システム導入についての基本方針を決定した。
(1) 次期システムは、世界に通用する性能と機能を備えた国際標準の取引システムを、スピード感を持ってできる限り早期に導入する。
(2) 次期システムは、パッケージソフト採用を基本方針とし、現行の取引慣行・ルールを可能なかぎり国際標準に合わせる(必要最小限のカスタマイズに留める)よう、海外パッケージソフトの機能をベースに会員との検討・調整を行う。
(3) 次期システムは、平成20年(2008年)度中の稼動を目途に努力する。
(4) 次期システムは、業界共通の又は共同利用ができるザラバ・システムとすべく、本所としてできる限りの努力及び他取引所との調整を行う。

 そのため、世界的に多くの導入実績があり、国際的に多くの取引参加者から支持・評価されているパッケージソフトの採用を基本方針とし、平成19年9月19日の理事会にて、提案に参加する業者(パッケージソフト・ベンダーと国内のSI会社の協業体制)をAEMS(Atos Euronext Market Solutions) 社 及び富士通梶AOMX社 及び 鰍mTTデータの2者に決定し、以下の手続きにより、RFP(提案依頼書)に基づく提案を受け、審査・最終選定した。
 審査は、提案内容及び見積金額を比較・評価したが、提案内容については、特に、東工取の要求事項(商品先物取引の特異性を含む。)に対して如何にパッケージ標準機能でカバーできる(カスタマイズが極力少ない)提案であるかを重視した。また、株式会社野村総合研究所(RFP作成や業者選定作業等の支援を依頼)からの評価も参考とした。
 
・ 平成19年10月17日 :業者選定方法の決定
・ 10月19日    :業者へのRFP(提案依頼書)説明会の実施
・ 11月16日     :業者からの提案書及び見積書の受付
・ 11月16日〜11月30日:提案内容の一次審査(プロジェクトメンバー10名)
・ 11月22日     :業者からのプレゼンテーション・質疑応答
・ 12月 3日〜12月10日 :提案内容の総合審査(審査会・常勤役員会)
・ 12月12日、17日、19日:提案書の審査結果報告、業者の最終選定
(電算特別委員会、総務委員会、理事会)

● OMXについて

 OMXは、北欧地域における株式及びデリバティブ市場の取引所運営者であり、また世界の取引市場に対してテクノロジー・ソリューションを提供するシステムベンダーでもある。
 OMXは、コペンハーゲン、ストックホルム、ヘルシンキ、アイスランド、リガ、タリン及びヴィルニュスにおいて取引所を所有及び運営しており、北欧及びバルト地域における証券取引の約80%がOMXの市場を通じて行われている。
 また、OMXは、50カ国以上の国々において、取引所・清算機関・中央証券保管振替機関など60社を超える顧客に対しシステムを提供している。
 シンガポール、香港、オーストラリア、タイなどの取引市場でも、OMXの取引及び清算システムは採用されており、アジア地域でも幅広い事業展開を行っている。