平成17No.14 

発行:栃木県企画部広報課


日本の伝統と匠の技を次代に伝える 
“近代の和風宮廷”

(きゅう)
日光(にっこう)()()(ざわ)御用邸      



「SL」、「木綿(もめん)」、そして「温泉」が楽しめる街 
多彩なイベントでこの秋パワ-アップ

SLともめんの里
真岡(もおか)コットンまつり
期間 : 924日(土)~1016日(日)


  濃厚な甘さと香りがただようぶどうの産地 大平町・岩舟町
新鮮で安心だからひと味もふた味も違う      

とちぎの名産フルーツ ぶどう



短時間で検査が可能ないちごの品種識別方法を開発
 本物の「とちおとめ」を消費者にお届けする

いちごのDNA識別




日本の伝統と匠の技を次代に伝える
“近代の和風宮廷”

(きゅう)日光(にっこう)()()(ざわ)御用


「旧日光田母澤御用邸」は、明治32年に、大正天皇(皇太子時代)のご静養のために造営された建築物です。江戸時代の由緒ある屋敷に増築を重ねて造り上げられたこの御用邸は、江戸から大正時代にかけての日本のすぐれた建築技術と和洋折衷の生活様式を見ることができることから、“近代の和風宮廷”といわれ、国の重要文化財にも指定されています。
栃木県は、この歴史的・文化的価値の高い建物を中心に「日光田母沢御用邸記念公園」として整備し、施設の公開を行っています。日光観光の際には、世界遺産の社寺からほど近い位置にあるこの御用邸を併せて見学してみてはいかがでしょうか。

旧日光田母澤御用邸

◇  ◇  ◇

日本建築の伝統と西洋文化が融合した重要文化財「旧日光田母澤御用邸」

◎ 「旧日光田母澤御用邸」は、この地にあった民間住宅(日光出身の銀行家・小林年歩(ねんぽ)の別荘)に、明治天皇が仮御所として使用された紀州徳川家の江戸中屋敷の一部を移築し、新たな部分を加えて造営されました。大正天皇の即位後は、御用邸で公式儀礼を行う機会が増えたことから、謁見所(えっけんしょ)や御玉突所(おたまつきじょ)(ビリヤード場)を造るなど大規模な増改築が行われました。造営時の敷地面積は107,000㎡(現在は39,390㎡)、建築規模は4,471㎡で、明治・大正時代の御用邸のなかでは最大規模の木造建築となっています。  

謁  見  所

御 玉 突 所

◎当初からあった小林邸の部屋では京風の優美な趣きを、また移築された紀州徳川家の屋敷部分は江戸時代の数奇屋風の意匠を見ることができます。また、大正時代に増改築された部屋は、格式を重んじた書院造りとなっています。また、西洋文化との融合をはかり、シャンデリアやじゅうたんを配置した和洋折衷のインテリアもこの御用邸の特徴となっています。


日本庭園を望む御用邸でお茶会を催してはいかが? 平成の改装で設けられた茶室や研修ホールをご利用いただけます。


◎ 栃木県は、この建築の保存と公開のために、平成9年から第1期整備、平成14年から第2期整備を実施。内外装の修復を行って大正時代の姿を甦らせると同時に、女官部屋と調理室があった棟を一般利用のできる研修室とホールに改装しました。なかでも、和室の研修室は茶室として利用できることから人気の施設となっています。


ご静養に使われる那須御用邸や御料牧場。栃木県と皇室のゆかりは深く、現在も行幸啓が行われています。

◎栃木県内には「旧日光田母澤御用邸」のほかにも、大正天皇が利用した塩原の旧御用邸があり、この施設の一部は「天皇の間記念公園」(那須塩原市)で見学することが可能です。また、那須の御用邸は、植物学者でもあった昭和天皇が愛された緑豊かな地域にあり、現在も両陛下や皇族の方々が頻繁にご利用になっています。高根沢町と芳賀町にかけて牧草地をもつ御料牧場では、皇室で使用する乳製品や食肉が生産されています。

天皇の間記念公園


「日光田母沢御用邸記念公園」概要


所  在  地 : 日光市本町8-27 (JR日光駅、東武日光駅から約3㎞) 
開 館 時 間 : 9:00~16:30(本邸受付は16:00まで)
休  園  日 : 火曜日(祝日の場合は翌日休館)及び12月29日~1月3日
入  園  料 : 大人500円 小・中学生250円
敷 地 面 積 : 39,390㎡(建築規模:4,471㎡、部屋数:106室)
研修室・研修ホール:研修室7室とホールの利用が可能です。
問い合わせ : 日光田母沢御用邸記念公園管理事務所 TEL 0288-53-6767
ホームページ : http://www.pref.tochigi.jp/kouen/tamosawa/index.html




「SL」、「木綿(もめん)」、そして「温泉」が楽しめる街
多彩なイベントでこの秋パワ-アップ

SLともめんの里 真岡(もおか)ットンまつり

期間 : 924日(土)~1016日(日)


栃木県の南東部に位置する真岡市で、市の観光の3本柱である「SL」、「木綿」、そして「温泉」をテーマとした「SLともめんの里 真岡コットンまつり」が開催されます。9月24日(土)から10月16日(日)までの約3週間の期間中は、SLが停車する真岡駅や真岡井頭温泉など市内各所を会場に、機織り体験やそば打ち、物産展、鮭の遡上する川の清掃ボランティアなど多彩なイベントが実施されます。

◇  ◇  ◇

市の観光資源を連携させて地域の魅力をアピール。真岡の観光と商業の振興を図る秋のイベント。

◎ 「SLともめんの里 真岡コットンまつり」は、真岡市のシンボルのひとつである「SL」と、伝統工芸品「真岡木綿」、豊富な湯量をほこる「温泉」を連携させて紹介するお祭りです。真岡商工会議所や市商店街連合会、真岡物産振興会などが中心となり、この地域ならではの観光スポットや伝統工芸品、物産、食の紹介を行います。

◎ 「SL」が走る真岡鐵道は、土曜・日曜・祝日を中心に下館から茂木まで運行するローカル線です。鉄道ファンだけでなく、お子様からレトロな雰囲気を好むシニア層まで幅広いファンが集まります。今回のイベントの初日には、SLが停車する真岡駅の駅前広場で華やかなオープニングセレモニーが開催されます。

◎ 県の伝統工芸品「真岡木綿」は、江戸時代にこの地域で盛んに生産された繊維で、現在も綿花の栽培から製品化まですべての工程が手作りで行われています。そのPRや町おこしのため、「第2回織姫もめんフェスタ」を9月25日(日)に、温泉地を会場とした「井頭温泉 コットンまつり」を10月2日(日)に開催。「真岡木綿」の魅力に触れていただける機織りや染めものの体験、木綿製品の販売などを行います。


機織り


綿


真岡木綿

◎ 県内各地で温泉が楽しめる栃木県ですが、そのなかでも、真岡の市営温泉「真岡井頭温泉」は、最新の設備とサービスがそろい、リーズナブルな料金で楽しめることで人気の施設です。地下1,500mから汲み上げられる豊富な湯を使った「温泉大浴場」には、露天風呂はもちろん、健康増進効果の高い「薬湯」などの設備があります。また、水着を着用して入るドイツ式の温浴施設「バーデプール」で、温泉の効能と併せて気泡や水圧によるマッサージをお楽しみいただけます。

真岡井頭温泉

農産品の販売やそば打ち、芋煮会など秋の味覚も! 鮭が遡上する川の清掃など、ユニークなイベントも開催されます。

◎ このイベントでは、真岡の豊かな食をご紹介する物産展も併せて開催され、秋の味覚やとれたての野菜などが販売されます。また、「綿摘み体験とそば祭」では、打ちたてのそばをご賞味いただけます。河川の環境保護のために清掃ボランティアを行う「鮭の母川回帰歓迎会」では、地元の野菜を味わえる芋煮会を実施。その会費は、鮭の成育の基金として使われます。

「SLともめんの里 真岡コットンまつり」概要

期間 : 9月24日(土)~10月16日(日)
会場 : 真岡市内各所
内容 : 真岡市の「SL」「木綿」「温泉」の3つを中心に、観光客が参加できるイベントを実施します。

日時

イベント(会場)

主な内容

924日(土)

オープニングイベント
(真岡駅前広場)



開催セレモニー、SL出発式、綿の実の無料配布、新米無料配布と食味会、物産展、JAはがの朝市

 925日(日)

2回織姫もめんフェスタ&第1回ミスターコットン・第2回ミスコットンコンテスト(真岡木綿工房、岡部記念館)

藍染・草木染体験、機織体験、物産展、ミスター/ミスコットンのコンテスト

102日(日)

井頭温泉 コットンまつり
(真岡井頭温泉)

物産展、機織体験と製品販売、

ジャズコンサート

109日(日)

5回夢のいかんべえ市&弁財天十五童子まつり
(真岡荒町本通りと周辺広場)

いかんべえクジ(抽選会)、物産展、地元商店街の割引セール

109日(日)

お宝骨董市
大前(おおさき)神社(じんじゃ)

1500年の歴史を持つ神社の境内に骨董品店150店が出店

1015日(土)

綿摘み体験とそば祭
(真岡観光リス村)

綿摘み体験、綿の実の無料配布、そば打ち実演と食味会

1015日(土)

邦楽の調べ
大前(おおさき)恵比寿(えびす)神社(じんじゃ)

尺八の琴の演奏会、野点

1015日(土)

鮭の母川回帰歓迎会
(五行川)

五行川の清掃、採卵受精見学会、芋煮会

1016日(日)

ファイナルイベント
鬼怒テクノ通りがひらく真岡の明日
(真岡バイパス特設会場)

ウオークスタンプラリー、交通安全教室、クラシックカー展示、郷土芸能他

主催・問い合わせ:SLともめんの里・真岡コットンまつり実行委員会(真岡商工会議所内)
TEL 0285-82-3305 ホームページ:http://www.moka-cci.or.jp/



濃厚な甘さと香りがただようぶどうの産地 大平町・岩舟町
新鮮で安心だからひと味もふた味も違う

とちぎの名産フルーツ ぶどう


栃木県では、夏から秋にかけてぶどうの収穫の最盛期を迎え、県内や首都圏の市場に新鮮で糖度の高いぶどうが出荷されます。収穫期には、県南部の大平町に、ぶどう狩りのできる観光果樹園が開園し、休日などにはたくさんのお客様をお迎えしています。
県内でもっとも多く生産され、最近では初めて海外への輸出も行われるほどの人気品種「巨峰」。観光果樹園では、7月中はハウス栽培の「巨峰」を、盛夏から秋までは露地ものをご賞味いただけます。


巨峰

◇  ◇  ◇

巨峰を中心に大粒の品種が栽培される栃木のぶどう。新鮮でおいしいのはもちろん、安全性にも配慮しています。

◎ 栃木県内でのぶどうの生産は、昭和30年代からスタートし、昭和50年代には、優良品種で消費者からの人気の高い「巨峰」の栽培が進められました。平成15年の栽培面積は272ha(県内の果樹栽培面積の4分の1)、流通数量は2,680トンとなっています。

◎ 栽培される品種は「巨峰」が約60%、「キャンベルア-リ-」が25%で、ハウス栽培による安定した生産と早期出荷が行われています。また、消費者の嗜好に合わせた品種の栽培も盛んで、人気の高い「ピオーネ」などの大粒の新品種や、種なしぶどうが生産されています。

◎ 安心・安全な果実の出荷のため、ぶどうの残留農薬検査を実施するほか、トレーサービリティ(履歴管理制度)の確立に取り組み、生産者による栽培履歴の記帳とJAによるデータ管理が行われています。 
また、環境にやさしい農業に取り組む「エコファーマー」の認定者75名により、化学肥料や農薬の使用量を減らしたぶどう栽培が実践されています。

お取り寄せでも人気の栃木産ぶどう。今年度から新たに「ハウス巨峰」が輸出されています。

◎ 生産された果実は、県内や首都圏の市場に出荷されるほか、観光果樹園での直接販売、宅配便を利用した販売など、さまざまな流通・販売の形態で消費者に届けられています。また、岩舟町の「ハウス巨峰」が初めて香港へ輸出されるなど、海外への販路拡大がすすめられています。

もぎたてのジューシーなぶどうを味わえる観光果樹園。さまざまな品種をお楽しみいただけます。


観光果樹園 (大平町)

大平町は、県内きってのぶどう産地で、首都圏に近い県南部に位置することから、夏から秋までは観光果樹園が賑わいを見せます。「ぶどう団地」と呼ばれる、約80戸の生産農家が集積した地域があり、人気のレジャースポットとなっています。7月下旬までは、旬の味覚を先取りしたハウス栽培の巨峰、8月以降は露地栽培のぶどうの王様「巨峰」のほか、極大粒の「藤(ふじ)稔(みのり)」、さっぱりとした甘さの「ヒムロット」、高級感が味わえる「ロザリオビアンコ」、鮮やかなロゼ色の「安芸(あき)クィーン」、小粒で身が軟らかい「デラウエア」、独特の甘みと酸味のある「キャンベルア-リ-」などが食べごろになります。9月から10月は巨峰のほか色鮮やかな「ベリーA」が実を付け、夏休みから秋の行楽シーズンまで、いつ来てもおいしいぶどうをお楽しみいただけます。

◎ 大平町ではぶどうの加工品の生産も盛んで、ワインが特産品となっています。巨峰の味わいを生かした甘みのあるタイプがお土産品として人気を呼んでいます。
        


大平巨峰ワイン

□大平町問い合わせ
 大平町観光協会 TEL:0282-45-1141
 大平町観光協会HP
   http://www.cc9.ne.jp/~ohira-kanko/

□岩舟町問い合わせ 
 JAしもつけ岩舟地区営農経済センター営農課
 (青果物一元集出荷所)TEL:0282-55-7250
 岩舟町観光協会HP
   http://www.cc9.ne.jp/~i-kankou/specialty/specialty.htm



 短時間で検査が可能ないちごの品種識別方法を開発 
本物の「とちおとめ」を消費者にお届けする 

いちごのDNA識別


栃木県農業試験場は、平成17年3月に、従来の方法よりも短時間で検査ができる、いちごの品種識別方法の特許出願を行いました。この新たな識別方法は、かねてから問題視されていた“海賊版のいちご”の流通をくいとめ、「とちおとめ」などの人気品種の無許可栽培を抑制する効果があるものと期待されています。
県はこの識別方法を活用し、品種の権利侵害に対抗すると同時に、確かないちごを消費者に届けることに役立てていきます。



◇  ◇  ◇

「とちおとめ」は最短1日で識別。「とちおとめ」の生みの親・栃木県農業試験場が、17品種のいちごの品種識別マーカーを開発。

◎ 国内で開発された農産物の新品種は、種苗法に基づいた登録が行われ、開発者の権利が守られる仕組みとなっています。栃木県は、いちごの品種「とちおとめ」などの開発者として、それらの品種を利用する権利を保有しています。しかし、最近では、開発者に無許可で違法に生産されたいちごが市場で流通する事態が生じていました。栃木県は、この無許可栽培への対策として、短時間で品種の識別が可能なDNA技術による識別マーカーを開発。この検査方法を普及させることにより、無許可栽培いちごの生産を抑制し、農産物のブランドを守っていきます。

◎ この識別方法の第一の特長は、国内のいちごの作付面積の93%を占める主要17品種を識別できることにあります。さらに、これまで時間のかかった酵素処理の工程がカットされ、PCR法(DNAの中で識別に必要な部分を大量に増幅させる方法)のみで済み、従来は3日ほどかかっていた検査日数の大幅な短縮が可能になりました。

◎ さらに、栃木県が開発したブランド「とちおとめ」「とちひめ」は1回のPCR法で済み、最短1日で検査結果を得ることができます。また、主要8品種(「とちおとめ」「とよのか」「女峰」など)は、3種類のプライマーセットを使うだけで識別が可能です。

◎ この識別マーカーは、流通過程や食品加工における品種の確認など、幅広い場面での利用が期待されています。将来は、この技術を活用し、農産物の知的財産権とブランドを守る活動をすすめていきます。また、消費者に対しても、本物の「とちおとめ」などをお届けするために、このマーカーによる識別方法の早期普及を考えています。

問い合わせ :栃木県農務部経営技術課TEL 028-623-2313
ホームページ : http://www.pref.tochigi.jp/nougyou-s/news/215/215.pdf



この件に関するお問い合わせ先


320-8501 栃木県宇都宮市塙田1-1-20
栃木県企画部広報課
広報イメージ担当
TEL 028-623-2192
FAX 028-623-2160

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ご連絡をいただければお送りいたします。