新しい未来を自分たちで創るための金沢工業大学の新たな研究の場「Challenge Lab」

金沢工業大学

金沢工業大学は未来の新技術を創造する場としてChallenge Labを開設しました。社会性のある課題に学科を超えて取り組むクラスター研究室が活動します。科学技術の初版本から本質を学び新技術も探究します。AIラボではAI技術の教育コンテンツ開発や社会への適用研究に取り組みます。

2018年3月14日

金沢工業大学

【イノベーション創出に向けた金沢工業大学の新たな取り組み】

新しい未来を自分たちで創るための研究の場、「Challenge Lab」

金沢工業大学は、未来の新技術や新たな価値を創造する拠点として、「Challenge Lab」を2017年7月に、扇が丘キャンパスで開設しました。館内(2階建て。延床面積1000平方メートル)は木質系の床と温かみのある照明が、学問の本質を追究できる、落ち着いたアカデミックな雰囲気を醸し出しています。

Challenge Lab イメージ1

明るい未来を拓く社会性のある課題に学科や研究室の枠を超えて学生がプロジェクトを組み、卒業研究(プロジェクトデザインIII)や修士研究として取り組む「クラスター研究室」がここを拠点に活動します。 

研究成果はラボ内に設置された3Dプリンタやカッティングマシンなどの加工設備を活用して具体化し、社会実装を目指す中で研究を深めます。

またChallenge Labでは、金沢工業大学が所蔵する科学技術に関する初版本から学問の本質を学び、これまでにない科学技術を探究する機会も2018年度から実施してゆく考えです。

さらにAIラボ(所長:工学部情報工学科 中沢実教授)をChallenge Lab 2階に設置し、AI技術分野における教育研究活動を2018年4月より開始します。AIラボでは、未来に向けた新技術であるAIを全学科の学生が学べる教育コンテンツの開発に取り組むとともに、AI技術を実社会が抱える課題解決のために適用してゆく研究や企業等との共同研究を推進します。

金沢工業大学は、イノベーション創出を可能にする「世代・分野・文化を超えた共創教育」を全学で展開しています。国連全加盟国が合意した持続可能な17の開発目標、「SDGs」と関連した社会性のある研究課題に取り組み、工学教育の世界標準である「CDIO」(Conceive[考え出す]、Design[設計する]、Implement[実行する]、Operate[運用する])を採り入れることで、問題点を考え、解決策を提案するだけでなく、設計し具体化して実証実験を行い、社会実装を目指す中で、社会に役立つイノベーションの創出を目指しています。

Challenge Labは、金沢工業大学が挑むこれからの教育研究を象徴する場でもあります。

新しい未来を自分たちで創る研究の場として、Challenge Labの活用が期待されています。

「Challenge Lab」の概要

金沢工業大学は、イノベーション創出を可能にする「世代・分野・文化を超えた共創教育」を進めています。学生は世代・分野・文化の異なる人達と共に学び、共にプロジェクトを進め、共に研究に取り組むことで、イノベーションを創出するための「未来へチャレンジする研究力」「総合力(学力×人間力)」「グローバル対応力」を身につけます。

Challenge Labは分野を超えて人と知識がつながり、未来の社会に必要とされる新しい技術や価値を創出する場として2017年7月に開設されました。

「クラスター研究室」「科学技術に関する偉人たちの初版本から学問の本質を追究」「AIラボの活動拠点」の3つの柱があります。

■「クラスター研究室」

明るい未来を創るために解決すべき社会性のある課題に学科横断型のチーム編成で取り組み、イノベーション創出に挑戦する、金沢工業大学の新しい研究室の形態です。学生と教員が学科・研究室の枠を超えて「クラスター研究室」を形成し、卒業研究(プロジェクトデザインIII)や修士研究として研究開発に取り組みます。Challenge Labにはカッティングマシンや3D プリンタ、5軸ロボット加工機など、アイデアをその場で試作できる環境が整っています。クラスター研究室ではこうした機器を活用して解決策を具現化し、実験・検証・評価します。

金沢工業大学では、「誰一人取り残さない」を理念に国連全加盟国が合意した17の持続可能な開発目標、「SDGs」に取り組んでいます。また工学教育の世界標準である「CDIO」(Conceive[考え出す]、Design[設計する]、Implement[実行する]、Operate[運用する])を日本の大学で初めて採り入れ、創出した解決策は具体化し実社会の中に組込み、その中で新たな発見を得て研究を深めていく、社会実装型研究の推進を目指しています。

クラスター研究室には現在、「初心者が楽しめるチェアスキーの設計と開発」、「スマートファクトリー:椅子再生工場を支える技術の提案と空間設計」、「石橋の科学的解明と石文化の継承方策の提案」という3つのプロジェクトが活動しています。

例えばチェアスキーの設計・開発はSDGsの「10.人や国の不平等をなくそう」にあたります。障害を持つ子どもたちが気軽にスキーが楽しめるよう、機械工学科とロボティクス学科、応用化学科の学生がクラスター研究室を立ち上げ、設計から製作まで学生自身が行いました。スキー場での実証実験を経て、完成度を高め、将来的には身障者だけでなく健常者にも気軽に楽しんでもらえるチェアスキーの開発を目指しています。

金沢工業大学では今後、こうしたSDGs関連のプロジェクトを積極的に推進してゆく考えです。

国連SDGsロゴ

「誰一人取り残さない」を理念に国連全加盟国が合意した17の持続可能な開発目標「SDGs」

クラスター研究室で取り組むチェアスキーの開発

クラスター研究室におけるチェアスキーの開発。設計から製作まで学生自身が行った

■「科学技術に関する偉人たちの初版本から学問の本質を追究」

今日の科学技術は過去の偉人たちの業績の上に成り立っています。金沢工業大学では、これらの業績を、法則や数式として理解するだけでなく、どのようにしてその結論を導き出すに至ったのか、偉人たちの思考のプロセスを辿り、学問の本質を理解することが、次代のイノベーションを創出する上で欠かせないと考えています。また偉人たちの時代では技術的な制約で実現できなかったことも、今日の科学技術と学生たちのアイデアをもってすれば実現可能かもしれません。

金沢工業大学は、ガリレオやニュートンなど、グーテンベルクの活版印刷発明以降に出版された科学技術に関する初版本を約2000冊所蔵しています。

Challenge Labはこうした偉人達の初版本を活用して、学問の本質に触れられる場としての機能を持ちます。

例えば1889年に完成したエッフェル塔は大量の鉄を用いた高層建造物で、当時のイノベーションを象徴する建物でした。その設計図に学生が触れることで、力学と美についてさまざまなことが学べます。また鉄ではなく、現代の最先端の複合材料ではどのような斬新でかつより高層なものが作れるのか、設計図をもとに学生たちが3Dプリンタを活用してミニチュアを製作し、学生自身で考える場にしていきたいと考えています。

エッフェル塔の設計図

エッフェル塔の設計図

Challenge Labは、"世界を変えた"科学技術の初版本に学生たちが触れ、その迫力と重みを感じながら、偉人たちの思考のプロセスを辿り、記述されている各種の実験機器等を設計製作し、実際に実験してみるなどして、偉人たちが生み出した概念や理論を本質から理解し、新たなイノベーション創出に活かす場づくりを2018年度から本格的に行っていきます。

■「AIラボの活動拠点」

AIラボは、Challenge Lab 2階を主たる活動拠点として2018年4月より活動を始めます。

社会で活躍するために必要となるAI技術分野の知識・スキルを、学部・大学院生が専門分野を超えて学べる教育コンテンツの開発と充実を図ります。さらに企業の方々を対象としたAI技術分野の教育コンテンツの開発・評価・充実を目指します。

また実社会の抱える課題解決のためのAI技術の応用・適用研究を実施するとともに、企業との共同研究を推進します。

8mのホワイトボード

Challenge Labのラウンジのイメージ

【ChallengeLabの主な設備】

ChallengeLabの1階中央には、アカデミックな雰囲気の中で議論ができるよう全幅8mのホワイトボードが設置されています。1階にはクラスター研究室の活動エリアがあるほか、初版本を使ったプロジェクト活動の場となるラウンジが設けられています。また生み出したアイデアはその場でプロトタイプとして具体化できる工作機械も備えています。

■カッティングマシン(KongsbergX)

ナイフカットとミーリング(回転工具)加工を1台でこなせるマルチカッティングマシンです。Wordで書いた文字や図形をPDFにエクスポートし、カッティングマシンにデータを入力するだけで、木材やアクリルなどの板を自在に加工できます。

カッティングマシン

■5軸加工機(XMINI)

一度の設定で複雑な部品加工を自動的に高精度で行うことができます。

5軸加工機

■3Dプリンタ

樹脂積層タイプの3Dプリンタです。3Dモデルデータを入力することで立体的なプロタイプ(試作品)の成形が可能です。

ChallengeLabのもう一つの特長は、"C∞ Lounge"(C-インフィニティ・ラウンジ)です。落ち着いた雰囲気の中で深い思索を促し、世代・文化・分野を超え人と人が新しい知と出会う場所として、良質な調度を備えています。

ラウンジにはフードコート(キッチンスペース)もあります。食物をテーマにした実験(フードサイエンス)の実践の場となるほか、史実に則ったレシピの再現や外国語での調理実習といった、文化を超えた交流の場としての利用が期待されています。

C-インフィニティ・ラウンジ

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

Challenge Labエントランス

Challenge Lab イメージ1

国連SDGsロゴ

クラスター研究室で取り組むチェアスキーの開発

エッフェル塔の設計図

8mのホワイトボード

Challenge Labのラウンジのイメージ

カッティングマシン

5軸加工機

C-インフィニティ・ラウンジ

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