難治性慢性リンパ性白血病の治療薬としての、ベネトクラクスとリツキシマブ併用の第Ⅲ相試験結果を発表

アッヴィ

2017年9月28日

アッヴィ合同会社

アッヴィ、再発性/難治性慢性リンパ性白血病患者に対する治療薬としての

ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用を評価する

第Ⅲ相試験での良好な主要結果を発表

●ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用を評価する多施設共同非盲検無作為化第Ⅲ相試験の結果が、再発/難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者の無増悪生存期間をベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用よりも延長させるという主要目的を達成

●結果は承認申請の基盤となり、今後の医学会議で詳細なデータを発表する予定

●米国において既に画期的治療薬(BTD ブレークスルー・セラピー)の指定を受けた治療法

イリノイ州ノースシカゴ、2017年9月18日(米国時間)-グローバルなバイオ医薬品企業である

アッヴィ(NYSE: ABBV)は、第III相試験であるMURANO試験において、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用が主要目的を達成したことを発表しました。試験結果から、再発/難治性(R/R)慢性リンパ性白血病(CLL)の患者さんに対するベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用は、ベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用よりも無増悪生存期間(PFS)を延長することが示されました。独立データモニタリング委員会が本試験を審査し、この良好な結果に基づいて本試験の盲検を解除するよう推奨しました。長期的な安全性および有効性に関する情報をさらに得るため、MURANO試験で治験治療を継続している患者さんに対して医師が引き続き観察を行います。ベネトクラクスはアッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国では

アッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外では

アッヴィが販売しています*。*本リリース発表時、日本では未承認となります。

アッヴィの研究開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高科学責任者(CSO)のマイケル・セヴェリーノ医学博士(M.D.)は、次のように述べています。「アッヴィはCLLおよびそれ以外の造血器腫瘍の患者さんにおける単剤療法および併用療法としてのベネトクラクスの、あらゆる可能性を研究することに全力を尽くしています。MURANO試験の解析では、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用がR/R CLL患者さんにとって新たな治療選択肢となる可能性が示され、化学療法を含まない治療法を、患者さんに提供できる可能性があります。アッヴィは世界中の規制当局と協力して、この新たな治療法をR/R CLL患者さんにお届けすることを心待ちにしています。」

欧米で最もよくみられる白血病の種類はCLLで、米国における、白血病の新規症例の約4分の1を占めています(1,2) 。CLLは、増殖が遅い形態の白血病または血液がんであり、血液および骨髄に非常に多くの未熟なリンパ球(白血球の種類)が認められます(3) 。CLLは高齢者が罹患することが多く、女性よりも男性の罹患率が高くなっています。診断時の年齢の中央値は約70歳です(1)。

この試験から得られる詳細なデータは、R/R CLLにおけるベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用療法の承認申請を支持するものであり、今後の医学会議で発表される予定です。重篤な有害事象や最もよくみられる有害事象、投与中止率などの安全性データを現在解析しているところです。

第III相試験について

この多施設共同非盲検無作為化第Ⅲ相MURANO試験は、R/R CLL患者さんがベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)を併用した場合の有効性および安全性を、ベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)を併用した場合と比較するためにデザインされたものです(4) 。主要評価項目は治験担当医師の評価による無増悪生存期間(PFS)とし、慢性リンパ球性白血病に関する国際ワークショップ(iwCLL)の標準的ガイドラインを用いて判定されました。副次的評価項目は、独立中央審査委員会(IRC)の評価によるPFS、染色体17p欠失が認められる患者さんのPFS、最良総合効果[完全奏効(CR)、骨髄回復が不完全な完全奏効(CRi)、結節性部分寛解(nPR)または部分寛解(PR)と定義]、全生存期間、無イベント生存期間、奏効期間、次の抗CLL治療までの期間、微少残存病変が陰性となった患者さんの割合としました。

ベネトクラクスについて

ベネトクラクスはBCL-2と呼ばれる、体内の特定のタンパク質を標的とする経口B細胞リンパ腫-2(BCL-2)阻害剤です。CLLに罹患すると、BCL-2が過剰発現し、がん細胞が自然に自己破壊するのを阻止します。ベネトクラクスは、アポトーシスの過程を回復させるためにBCL-2を標的としています。アポトーシスを介して、体内でのがん細胞と正常細胞の自己破壊が可能になります。

ベネトクラクスはアッヴィとロシュ社が開発しています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています*。これら数社共同で、ベネトクラクスのBCL-2研究に取り組んでおり、ベネトクラクスについては種々の血液がんを対象とした複数の臨床試験で現在評価しているところです。

ベネトクラクスは、複数の国で保健当局による評価を受けており、現在、米国を含む16カ国およびEUで承認されています。アッヴィは現在、ロシュ社とジェネンテック社と共同で、治療に適格で必要性を有する患者さんにこの医薬品を提供するため、世界中の規制当局と協力しています。

注:米国アッヴィ社が2017年9月18日(米国時間)に発表したプレスリリース英語原文には、この後EUおよび米国に関する記載がございます。そちらにつきましては、英語原文 をご参照ください。

がん分野におけるアッヴィについて

アッヴィでは、当社がもつ生物学の中心分野の深い知識を最先端の技術と独自に組み合わせ、科学者、臨床専門家、同業企業、支援団体、患者さんなどのパートナーと協力して、がん治療に変革をもたらす医薬品の発見と開発に努めています。当社は、一部の非常に消耗性の高い広範囲ながんの治療法で、このような革新的な進歩を実現することに重点を置いています。また、患者さんが当社のがん治療薬を使用できるようにするためのソリューションの探求にも取り組んでいます。2015年にファーマサイクリックス社を買収し、2016年にStemcentrx社を買収したことで、研究開発活動と共同研究により、現在アッヴィのがん分野のポートフォリオは、市販されている医薬品と複数の新規分子を含むパイプラインで構成されています。それらは20種類を超える、異なる型の腫瘍に関する、200件以上の臨床試験において世界中で評価されています。詳細については、http://abbvieoncology.com.をご覧ください。

◇アッヴィについて

アッヴィは、世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する革新的な先進治療薬の開発に努める研究開発型のグローバルなバイオ医薬品企業です。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、自己免疫疾患、オンコロジー、ウイルス感染症およびニューロサイエンスの4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ、健康上の課題への解決策を進歩させるため、75カ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。よろしければTwitterアカウント@abbVieもフォローください。また、人材情報はFacebookやLinkedInをご参照ください。

◇アッヴィ 今後の見通しに関する陳述

本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する陳述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する陳述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する陳述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する、陳述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。

アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2016年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する陳述を更新する義務を負わないものとします。

(1)  Eichhorst B, et al. Chronic lymphocytic leukaemia ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow‐up.

Annals of Oncology; 2015;26;v78–v84.

(2)  American Cancer Society. What are the key statistics for chronic lymphocytic leukemia?

https://www.cancer.org/cancer/chronic‐lymphocytic‐leukemia/about/key‐statistics.html. Accessed August 22, 2017.

(3)  NCI dictionary. NCI Dictionary of Terms. Chronic Lymphocytic Leukemia.

https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer‐terms. Accessed August 22, 2017.

(4)  Clinicaltrials.gov. NCT02005471: A Study of Venetoclax in Combination With Rituximab Compared With Bendamustine in Combination With Rituximab in Participants With Relapsed or Refractory Chronic Lymphocytic Leukemia. Accessed August 2017.

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