ビッグデータの活用で新成長モデルへと変貌する貴陽市

中国国際ビッグデータ産業展覧会

ビッグデータの活用で新成長モデルへと変貌する貴陽市

【貴陽(中国)2017年5月31日 共同通信JBN】

中国南西部貴州省の省都貴陽市が、丘陵地帯の貧しい地方都市から、ビッグデータを活用する国家レベルの先端産業育成の中心地として人口470万人を擁する大都市に発展、沿岸型にない新しい成長モデルとして注目を集めている。

こうした目覚ましい「変貌」を象徴するのが、内閣に当たる国務院のガイドラインに基づいて2015年、同市に設置された「ビッグデータ実験区」だ。その一角にあるビルでは、色彩豊かなデジタル映像や資料が様々な展示コーナーにある巨大な画面に映し出される。その1つは昨年1月に起きた国道沿いの地すべりに関するもので、直後に発見されたのは日産車1台だけ。しかし、監視カメラにとらえられた車両の台数や速度、事故現場を通過する時間などのデータを分析した結果、約2時間で、巻き込まれたのはこの車だけと判明、捜索・救出活動の効率化に多大な貢献を果たしたという。

貴陽市で開催された第3回「中国国際ビッグデータ産業展覧会」の初日の5月26日に会見した同市トップの陳剛共産党委員会書記によれば、若者世代は「変貌」をもたらしたインターネットやビッグデータ分析などの技術革新による変化や利便を享受、「彼らの考え方が変わってきた」という。同展の分科会に出席した中国科学院の研究員によれは、習近平国家主席はビッグデータを「産業時代の石油」と呼んだとされる。

ビッグデータ分野では貴州省の存在が高まっている。貴陽市と隣の安順市にまたがる「貴安新区」にはアリババやテンセント、中国電信などのハイテク・通信大手が安い労務費や土地代、冷涼な気候、豊富な電力に引かれて進出している。ビッグデータ産業が成長すると、この分野に明るい人材の需要が増えるが、地元の報道によれば、貴陽市には40以上の高等教育機関が投資、イノベーション能力を高めている。

ハイテク産業の成長に不可欠なインフラは、5キロ以上続く平たい土地がないといわれるほど坂の多い同市や周辺を他都市と結ぶ道路網が整備され、近隣の成都や重慶、昆明などにつながる鉄道も建設中だ。ただ、貴州省での貨物運送コストは他省より2~3割高く、「労務費や家賃は確かに他省より安いが、物流網の整備が遅れている」と指摘する業者もいると新華社電は伝える。

ビッグデータと観光業は一見関係なさそうに見えるが、新華社によれば、陳書記は両業界の距離はそんなに遠くないという。例えば、貴陽市当局は、大量のデータを解析して知見を探り出すデータマイニングという手法を使って、市民や市外から訪れる観光客が短距離の移動手段を必要とする場所を特定。その結果、マイカーであふれる同市は無法タクシー業者の摘発を進める一方、タクシーサービスやカーシェアリングの改善にもつなげている。

貴陽市や近隣は、世界最大級と言われる滝やユネスコ世界遺産に登録された自然景観などが多く、衣装や食べ物、祝祭日のしきたりといった伝統的な価値観を尊重する少数民族など観光資源に事欠かない。こうした資源を生かす観光振興が課題だ。

ソース: Guiyang International Big Data Expo

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