<訂正配信>電通PRの企業広報戦略研究所が 『第2回 企業広報力調査』結果を発表

電通PRは、日本における企業の広報活動の実態や課題を探ることを目的に、『第2回 企業広報力調査』を実施。広報力業種別トップ3は、1位「電力・ガス」 2位「運輸・倉庫」 3位「食料品」「金融・証券・保険」 。                                   

2016年6月10日

(株)電通パブリックリレーションズ

<訂正配信>電通PRの企業広報戦略研究所が『第2回 企業広報力調査』結果を発表

5月25日に配信したリリースの内容に誤りがありましたので、訂正し再送させていただきます。

リリースPDFファイル「第2回企業広報力調査リリース」に、赤字で訂正箇所を表示いたしました。

株式会社電通パブリックリレーションズ(電通PR)内の研究組織である企業広報戦略研究所(所長:三浦健太郎、所在地:東京都中央区)は、日本における企業の広報活動の実態や課題を探ることを目的に、本年2月から4月、上場企業3,644社の広報担当責任者を対象に『第2回 企業広報力調査』を実施し、回答を得た533社のデータをもとに「8つの広報力」の視点から独自指標で分析した結果をまとめました。

1. 広報力業種別トップ3は、1位「電力・ガス」 2位「運輸・倉庫」 3位「食料品」「金融・証券・保険」                                    

ワースト3は 「不動産」 「鉄鋼・非鉄金属」 「建設」

前回調査に引き続き1位は「電力・ガス」、2位「運輸・倉庫」は5位から上昇

「戦略構築力」「情報創造力」「危機管理力」

2.今後強化したい広報力のトップ3 「戦略構築力」「情報創造力」「危機管理力」

「今後強化したい」と「現状実施」とのギャップ

1位「中・長期的広報戦略・広報計画の作成している」

2位「競合企業の広報戦略を分析し、対策をとっている」

3位「ステークホルダー別に、獲得した評価や戦略を設定している」

3.広報担当の重要ステークホルダーに「従業員とその家族」が急上昇

「従業員とその家族」が67.7%、前回調査比較で最も上昇(14ポイント上昇)、4位「メディア」(67.9%)に肉薄

「情報収集力」「情報発信力」スコアが大きく伸長 

「情報収集力」が+6.4ポイント、「情報発信力」が+5.4ポイントとなっており、スコアの伸長がみられました。

背景としては、「業界・競合企業動向の定期的な情報収集」、「ステークホルダー別に設定している情報発信活動」が従来以上に強化されている傾向が出ています。

「情報創造力」が改善

「関係構築力」は最も低いスコアにとどまり、スコアも横這い。「戦略構築力」も「関係構築」力に次いで低いスコアで前回とほぼ変化はみられませんでした。「情報創造力」については前回最も低いスコアでしたが、4.7ポイントの改善がみられており、「トップのメッセージを専門的に作成する社内・外の体制がある」、「広報的視点を重視した、事業活動や、CSR活動を企画・実施している」などの実施率が高まったためです。

業種別ランキング

広報力業種別トップ3は、1位「電力・ガス」 2位「運輸・倉庫」 3位「食料品」「金融・証券・保険」

前回調査(2014年実施)に引き続き「電力・ガス」が1位、「運輸・倉庫」が5位から躍進し2位に、「食料品」「金融・証券・保険」は3位と一部順位で変動がみられました。2位となった「運輸・倉庫」では、「情報発信力」(62.5点)が前回調査よりも15ポイント以上強化されています。

ワースト3では16位「不動産」、15位「鉄鋼・非鉄金属」、14位「建設」になっています。

順位の変動は「鉄鋼・非鉄金属」が11位から15位に低下した他、「不動産」は前回と同様最下位にとどまっています。しかしながら、「情報収集力」は前回調査との比較で各業種とも10ポイント以上の伸びを示しています。

業種別総合評価TOP3

<1位:電力・ガス>

広報力総合評価が全体平均を14.4ポイントも上回っており、特に「情報収集力」(66.5点)や「情報発信力」(62.2点)に強みを持っています。インフラ系の企業だけに危機管理力が全体平均の1.9倍にあたる51.0点と他のどの業界よりも高い突出した数値となっています。全体平均を下回っている広報力はなく、全体的に高い数値となっています。

  

<2位:運輸・倉庫>

「情報発信力」が62.5点と前回より15ポイント以上の伸びを示しており、前回の5位から2位に押し上げた要因になっているといえます。また「情報収集力」「危機管理力」「情報創造力」それぞれが5ポイント以上増えている点も全体スコアを押し上げています。

<3位: 食料品>

「情報発信力」が66.8点と全業界の中で最も高い値になっています。2014年調査に比べて11.3ポイント上昇しています。しかしながら、「戦略構築力」では24.4点と前回から8.7ポイントの減少がみられており、広報戦略の構築において課題が見受けられます。

<3位: 金融・証券・保険>

「情報発信力」と「情報収集力」という広報の基礎的な力に優れている企業が多い傾向です。

<その他>

「情報・通信」が前回の10位から5位に上昇しています。「情報発信力」が10ポイント以上上昇したことが要因です。

また「機械」も13位から8位に躍進し、8つの領域の中で「情報収集力」「広報組織力」「情報創造力」「情報分析力」と4領域が10ポイント以上上昇しており、企業広報力の飛躍的な改善がみられています。

その一方で、「輸送用機器・精密機器」では「情報発信力」「関係構築力」「戦略構築力」の3領域が前回より5ポイント以上減少しており、順位を6位から10位に下げています。

<「広報オクトパスモデル」の前回2014調査との比較>

前回調査(2014年実施)と比較をしてみると、「広報オクトパスモデル」8つの広報力のうち、「情報収集力」(43.4点・+6.4)「情報発信力」(52.7点・+5.4)の2つの力が最も高い伸びを示しています。前回も高かった基礎的な2つの広報力がさらに伸長する結果となりました。また、8つの広報力で見てみると、「戦略構築力」の平均スコアが低下しましたが、それ以外は前回調査のスコアを上回る結果となっており、上昇傾向が顕著となりました。

企業を取り巻く外部環境の変化に対応すべく、企業が広報に対し、外部への「情報発信力」の強化と、情報発信したものをモニタリングすることを含めた「情報収集力」に注力している傾向がみられました。

平均スコアが相対的に低かったのは、「関係構築力」(23.3点)、「情報創造力」(26.0点)、「戦略構築力」(26.0点)でした。ただし、「情報創造力」は前回調査よりも4.7ポイント伸びており、大幅な改善がみられたのに対し、「関係構築力」は横ばいで8つのスコア中最も低い値になっています。企業を取り巻くステークホルダーとの対話の強化が必要だと考えます。

<今後強化したい広報活動>

今後強化したい広報活動を「広報オクトパスモデル」8つの指標でみると最も強化したいのが「戦略構築力」、次いで「情報創造力」、「危機管理力」となっています。

これに対し、最も低かったのが「関係構築力」でした。

「広報オクトパスモデル」8つの指標に紐づく設問で、「現状実施している」「今後強化したい活動」を複数回答で選択してもらいました。

「今後強化したい広報活動」と「現状実施している」差が大きいトップ5は、次のとおりです。

1位「中・長期的広報戦略・広報計画を作成している」、2位「競合企業の広報戦略を分析し、対策をとっている」、3位「ステークホルダー別に、獲得したい評価や、戦略を設定している」、4位「定期的に緊急時シミュレーショントレーニングを実施している」、5位「定期的に模擬緊急記者会見を実施している」。

差が大きいトップ5には、広報戦略に関連した事項が占め、4位、5位には「危機管理力」2項目が入りました。広報の応用編ともいえる危機管理に今後力を入れていく姿勢が表れています。

<重要性を増す従業員対応、社内活性化>

「貴社の広報活動にあたって重要なステークホルダーは?」という問いに対する結果です。

 前回調査と比較すると、「従業員とその家族」が14ポイントも上昇しています。背景として、働き方改革、ダイバーシティなどに対する社会の注目に加え、企業の海外進出、M&Aやホールディングス化などの組織改編の加速が、影響を与えた可能性が考えられます。4位の「メディア」とほぼ同等の重視度となっており、インターナルコミュニケーションの活性化が期待されます。他にも「地域住民」が12.3ポイント、「取引先」8.1ポイント、「行政関係者」7.5ポイント上昇と、ステークホルダーの多様化がより一層進んでおり、広報セクションの重要性が増していることが考えられます。

「貴部署の担当する業務テーマ」をたずねたところ、「トップのメッセージ、企業ビジョン」80.9%、「商品・サービスPR」67.7%、「社内活性化」58.3%がトップ3となっています。中でも大きく上昇したのが「社内活性化」、「CSR」、「危機管理」となっており、企業の広報機能の多様化が見られます。

◇ 企業広報力調査とは

8つの広報力とは「情報収集力」「情報分析力」「戦略構築力」「情報創造力」「情報発信力」「関係構築力」「危機管理力」「広報組織力」で構成され、私たちはこれを「広報オクトパスモデル」と呼んでいます。

<「広報オクトパスモデル」8つの広報力>

情報収集力:自社や業界・競合に対するメディアの評判や、ステークホルダーの動静などについて収集・把握する能力

情報分析力:収集した情報に基づき、自社の経営課題・広報課題を洞察する力と、それを組織的に共有する能力

戦略構築力:経営課題に対応する広報戦略の構築と、ステークホルダー別の目標管理、見直しを組織的に実行する能力

情報創造力:ステークホルダーの認知・理解・共感を得るために、メディア特性に合わせたメッセージやビジュアルなどを開発する能力

情報発信力:マスメディアや自社メディア、ソーシャルメディアなどさまざまな情報発信手法を複合的にタイムリーに駆使する能力

関係構築力:重要なステークホルダーと、相互の理解・信頼関係を恒常的に高めるための活動と、実行する組織能力

危機管理力:自社をとりまくリスクの予測・予防や緊急事態に対応するスキルを維持・向上する組織能力

広報組織力:経営活動と広報活動を一体的に行うための意思決定の仕組み、会議体、システム整備などの水準

今回調査対象とした上場企業には、パブリックカンパニーとして経営の透明性が求められます。的確な情報開示や説明責任、さらには、社会との対話といった企業広報の充実こそが、ブランドや企業レピュテーション、株価など、企業価値に好影響を与えると考えられます。今回は第2回目の調査ということで経年変化にも着目しています。企業動向を広報視点で分析するとともに、外部広報環境の影響も考察いたします。企業広報戦略研究所では、今回の調査などを通じて得た知見をもとに、学識者や団体・企業に情報提供をおこない、日本市場で活躍する企業の価値向上を支援していく予定です。

<「広報オクトパスモデル」算出方法について>

本調査は、広報活動に関する設問(80項目)を8つの広報力に分類し、各広報力を構成する10項目の基礎点を各6.4点、当研究所の専門家パネル(研究者、メディア、広報実務家12名)の各メンバーが、戦略的重要性が特に高いと評価した3項目に1.0点/票を付与しました(1.0点×12名×3票=+36点、総計100点)。

<調査概要>

調査期間:2016年2月24日(水)~ 4月8日(金)

調査対象:『会社四季報 2016年』掲載時点の東証一部・二部、東証マザーズ、ジャスダック、札証、名証、福証に株式上場している企業(3,664社)  cf. 前回2014調査:3,503社

有効回答サンプル数: 533社 (回収率 14.5%)    cf. 前回2014調査:479社(回収率 13.7%)

http://www.dentsu-pr.co.jp/resource/release/20140318.pdf

調査方法:郵送・訪問留置調査

調査主体:企業広報戦略研究所(株式会社電通パブリックリレーションズ内)

<お願い>

本調査内容を転載・引用する場合、転載者・引用者の責任で行うとともに、弊社の調査結果である旨を明示してください。

企業広報戦略研究所について

企業広報戦略研究所(Corporate communication Strategic studies Institute : 略称C.S.I.)とは、企業経営や広報の専門家(大学教授・研究者など)と連携して、企業の広報戦略・体制等について調査・分析・研究を行う電通パブリックリレーションズ内の研究組織です。

(2013年12月設立。所長:三浦健太郎) http://www.dentsu-pr.co.jp/csi/

株式会社電通パブリックリレーションズについて

電通PRは、1961年の創立以来、クライアントとステークホルダーの良好な関係を生み出す戦略パートナーとして、国内外の企業・政府・団体のコミュニケーションをサポートしてきました。ソーシャルメディア、デジタル・マーケティングなどで高い専門性を備えたコンサルタントを含む、総勢243名の社員が、マーケティング・コミュニケーションおよびコーポレート・コミュニケーションの領域で、戦略提案から専門的なソリューションまで、フルラインでご提供いたします。

詳細は当社のウェブサイトをご覧ください。

電通PRウェブサイト http://www.dentsu-pr.co.jp/

電通PRデジタルマイクロサイト http://dentsuprdigital.com/

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付ファイル

プレスリリース添付画像

図1 前回調査(2014年)との比較

図2 業種別ランキング

図3 電力・ガス 「広報オクトパスモデル」スコア

図4 ランク別 「広報オクトパスモデル」スコア

図5 今後強化したい広報活動(8つの指標)

図6 重要ステークホルダー

図7 担当業務テーマ

図8 「今後強化したい」と「現状実施」との差が大きい TOP5

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