海外リサーチ:中国独禁法違反調査に関する続報

ホットリンク

7月18日、国家発展改革員会は、中国で活動を行う外資系自動車メーカーが独占的地位を利用して部品の価格を不当に釣り上げているとして、独占禁止法違反の疑いがあるとして調査を開始することを発表しました。

2014年08月21日(木)

株式会社ホットリンク

【海外リサーチ】中国独禁法違反調査に関する続報

株式会社ホットリンクと普千(上海)商務諮訊有限公司では、中国本土で話題になっている事件・社会現象等を「新浪微博(シナウェイボー)」データより分析し、中国に進出している日系企業に向けてお届けします。

7月18日、国家発展改革員会は、中国で活動を行う外資系自動車メーカーが独占的地位を利用して部品の価格を不当に釣り上げているとして、独占禁止法違反の疑いがあるとして調査を開始することを発表しました。

国家発展改革委員会、複数の自動車企業に対し独禁法違反行為で調査[中国語]

http://money.163.com/14/0718/11/A1EDRUO9002529IR.html

8月20日、続報として日本企業12社に合計200億にのぼる巨額の罰金が課されるという調査結果の発表が行われました。

日本企業“複数社”合わせて罰金12億元、二社は“罰金回避”に成功[中国語]

http://business.sohu.com/20140228/n395835016.shtml

発改委、独占禁止法違反で巨額の罰金、自動車部品企業12社に12.35億元[中国語]

http://www.dzwww.com/xinwen/guoneixinwen/201408/t20140820_10872312.htm

国家発改委の調査によると、2000年1月から2010年2月にかけて、日立、デンソー、愛三、三菱電機、三葉、矢崎、古河、住友等の自動車部品メーカー8社は、競争の軽減、より有利な価格での受注を行うために、頻繁に談合を行い、価格の管理と操作を行なった。これらの価格操作が行われた部品は、トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、フォード等の20余りの車種に使用されており、独占的な地位を利用した悪質な価格操作を行なったことは明白であるとしている。調査対象企業の中で日立及び不二越の二社は調査の進展に貢献する重要な情報を提供し、調査への積極的な協力が認められ罰金は課されていない。

としています。またこれより前の8月12日にはフォルクスワーゲングループのアウディにも独禁法違反で巨額の罰金が課されるという報道がされています。

経済観察網:自動車独占禁止法調査、アウディに罰金18億元か[中国語]

http://www.guancha.cn/economy/2014_08_12_255966.shtml

こちらのアウディへの罰金については正式な発表は行われていないため、今回の日系自動車部品メーカーへの罰金が、今回の一連の自動車企業独占禁止法違反調査では最初の発表になりました。

今回の事件のモニター対象メディア

 報 道:雑誌:110 新聞:480 WEB記事:3,000サイト

 口コミ:BBS・BLOG: 600サイト、新浪微博(シナウェイボー)

 *8月は8月20日までの集計

■1.報道の傾向について

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8月20日現在では、罰金対象となった企業、罰金の金額や、調査の経緯等、事実関係を伝える報道が大部分ですが、一部今回の日系自動車部品メーカーが対象となった背景等を解説しているメディア報道もみられました。

●報道例:

独禁法、価格操作違反調査、なぜ日本企業?[中国語]

http://hn.ifeng.com/jingji/jingjixinguancha/detail_2014_08/08/2729977_0.shtml

こちらのメディアの報道によると、日本の自動車産業チェーンは欧米系メーカーに比べ、相対的に強固で閉鎖的であり、自動車メーカーは部品の購入に関しても厳しい要求に答えることができる日系の部品メーカーを使うことが多く、自動車部品業界において中国企業が参入する余地はほとんどなかったこと、そうした背景がある中で日系の自動車部品メーカーが自動車メーカーと緊密な関係を保っていたことが、独占的かつ価格操作的な行為とみられたと分析しています。

また、自動車産業は高度に体系化されており、部品においてもネジ一つまで容易にはサプライヤーを変更することができないため、自動車メーカーが部品サプライヤーを緊密な関係を築くことは自然ではあるものの、その協力関係のあり方や価格については議論の余地があると、中国のメディアらしく当局の対応を是としつつも今回処罰の対象となった企業に対しても一定の擁護を加えた論調です。

更に、日本企業が精密部品のカテゴリーにおいて自動車に限らず様々な分野において高いシェアを誇ることも紹介し、中国企業は今後こうした高い技術を生み出すことができる研究開発能力を持たなければならないと記事を締めくくっています。

■2.ウェイボーの論調

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今回の罰金決定については、やはり反日的な書き込みも多くみられますが、一方で冷静な意見や、中国の国営企業の独占的な行為についてはどうなのか等の皮肉の声もみられます。

●ウェイボー書き込み例:

・いいねえ、で中国石油への独禁法違反への罰金はいくらになるの?                 

・ 次は欧米系?VWとかGMの部品サプライヤー?                

・ 部品メーカーなのね?これで終わりじゃないでしょう、国営企業にもメス入れようよ!

・罰金少なすぎ、どうせすごい儲けてるんだから、破産するくらい取ったれ!           

・ アウディも罰金じゃなかったか、これって日系たたき?

・ 相手を叩く時間があるなら、中国企業がんばれよ、実力で日系を追い落とすことが

 できないんだったら独禁法も何も意味ないよ

・ 日系自動車メーカーを満足させられる部品を中国企業が生産できれば済む話でしょうに、

 死に物狂いで自動車メーカーに対応している日系部品メーカーも浮かばれないよねえ

・ これを気に日系企業は中国から出て行って欲しい・・・

・まだまだ今年は独禁法違反の罰金は続くねえ、発改委はいろいろ利権が剥ぎ取られてるから

 最近は金欠だし、お腹いっぱいになるまで止まらないよー

■3.今後について

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アウディや日系自動車部品メーカーに対して相次いで巨額の罰金が課される決定が発表されていますが、これまでの発表や報道の傾向からみても、これで終わりということはなく更に他の自動車メーカーや部品メーカー等にも罰金が課される可能性が高い状況です。また、自動車業界への調査が一段落した後も、他の業界が調査対象となる可能性は十分にあります。企業としては今すぐに取れる対応はそれほど多くはないですが、今一度自社の中国市場、そして業界における位置、シェア、影響力、競合企業(特に中国企業)の状況等を確認し、取りうる対応策を検討することが必要かと思います。

■本件に関する海外リサーチはこちら

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【海外リサーチ】中国独禁法違反調査に関する新浪微博(シナウェイボー)口コミ速報

http://www.hottolink.co.jp/customer/lite/20140811-2

【海外リサーチ】中国独禁法違反調査に関する続報

http://www.hottolink.co.jp/customer/lite/20140821-2

■株式会社ホットリンクについて(http://www.hottolink.co.jp/

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ホットリンクは、ソーシャル・ビッグデータを分析・加工し、ビジネスへの有効活用を支援するクラウドプラットフォームベンダーです。大量のソーシャル・ビッグデータをリアルタイムに検索・分析が可能な「クチコミ@係長」、及び風評をモニタリングする「e-mining」を、現在まで累計1600 社以上に提供してまいりました。また同様に、ソーシャル・ビッグデータおよび、感情/属性分析エンジンを、API を通じてサードパーティ向けに提供しています。また、2013年 6月より金融分野では、日本企業初のBloomberg 利用者向け金融ビッグデータ分析ツールを提供しています。

■普千(上海)商務諮訊有限公司について

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2001年設立。日系広告会社、PR会社、ナショナルクライアントを中心に、中国市場で展開企業、ブランド、商品の広告、記事、口コミ情報の統合的モニタリングを行い、収集したデータをもとに、データ分析、レポート作成、マーケティング戦略、PR戦略、WEB戦略、コミュニケーション戦略コンサルティングサービス等を提供。運用する広告、記事、口コミデータベースは業界最大規模。

【本件に関するお問い合わせ】

株式会社ホットリンク 武藤、宮田

東京都千代田区四番町6番東急番町ビル TEL:03-5745-3900

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