遠隔パソコン通訳システムで聴覚障がい学生だけでの受講が可能に より自然な授業参加を支援

早稲田大学

早稲田大学障がい学生支援室は、聴覚に障がいのある学生が受講している授業において、支援者が教室以外の場所から遠隔で情報保障をすることができる「T-TAC caption」というシステムを2013年秋季から試験的に導入しました。

2013-12-24

早稲田大学広報室広報課

遠隔パソコン通訳システムで聴覚障がい学生だけでの受講が可能に

より自然な授業参加を支援 障がい学生支援室

早稲田大学障がい学生支援室は、聴覚に障がいのある学生が受講している授業において、支援者が教室以外の場所から遠隔で情報保障をすることができる「T-TAC caption」というシステムを2013年秋季から試験的に導入しました。支援者が隣に座らないため、他の学生と同様のより自然な授業参加が可能となり、授業に集中しやすいなど一定の効果が認められています。

通常の支援では、障がい学生の履修する授業に支援者(ノートテイカー)2名が同行し、障がい学生の隣に座って、講師の話を中心とした音声情報をパソコンでタイプして通訳する支援を行っています。2013年秋学期に試験導入した「T-TAC caption」という遠隔情報保障システムでは、聴覚障がい学生自身がスマートフォンやタブレット端末を授業に持ち込み、遠隔地にいる支援者がリアルタイムで授業の音声を聴きながら文字化したデータを端末に送ることで、支援者が授業に同行することなくパソコン通訳を利用することが可能となり、他の学生と同じ雰囲気で授業参加することを実現しています。また、キャンパスから離れたゼミ合宿などでも、支援者がキャンパスから支援をすることができます。

早稲田大学には2013年度、27名の障がい学生が在籍しており、そのうち聴覚障がい学生は17名です(重複障がいがある学生1名を含む)。今回、同システムを利用したのは2名の学生で、「試しに1科目で遠隔情報保障を利用したが、教室前方でパソコンを広げたり電源コードを這わせたりして目立つということがなく、ノートテイカーが隣に座った状態よりも自然に授業参加できたので、全科目で利用することを決めた」などの良好な意見が報告されており、2014年度春学期以降、このシステムの使用を継続する予定です。

T-TAC captionは筑波技術大学の三好茂樹准教授が開発し、同大に事務局を置く「日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)」が、実際に大学で運用するための研究、普及を進めています。早稲田大学はそのPEPNet-Japanの遠隔情報保障事業の一員として、「支援者が教室内の様子を把握できない」「利用者側、支援者側の機器のセッティングの負担が大きい」などの、従来の遠隔情報保障の問題点を解決するための本システムの有効性を確認する活動にいち早く参加しました。また2013年12月、PEPNet-Japanは内閣府による『バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰』の内閣総理大臣表彰を受賞しています。

【早稲田大学障がい学生支援室】

障がい学生支援室では、障がい学生支援コーディネーターが常駐し、身体に障がいのある学生が、障がいのない学生と同等の修学環境を得られるように、各学部・研究科との連携のもとに学業上必要な支援サービスを提供しています。

【リンク】

早稲田大学障がい学生支援室 http://www.waseda.jp/student/shienshitsu/index.html

日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワークPEPNet-Japan http://www.pepnet-j.org/

国立大学法人 筑波技術大学 http://www.tsukuba-tech.ac.jp/

内閣府 平成25年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰式(第12回)受賞者 http://www8.cao.go.jp/souki/barrier-free/h25hyoushou/jusyo.html

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