トレンド予測レポート「カースマ」

トレンド総研

生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、このたび、「スマートフォンとクルマ」をテーマにレポートします。

2013年12月3日

トレンド総研

音楽、地図、アプリ…ドライバーの8割が「もっと車内でスマートフォンを活用したい」

スマホ×クルマで、ドライブの未来が変わる!?

新しいドライブのスタンダード『カースマ』に注目

専門家&メーカー担当者が語る、クルマ業界の「スマートフォン対応」最前線

生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、このたび、「スマートフォンとクルマ」をテーマにレポートします。

現在、あらゆる業界でスマートフォンへの対応・連携が進んでいますが、今回トレンド総研が特に注目したのが、「クルマ業界」です。「クルマ」というと、運転中の通話が法令で禁止されていることもあり、従来は携帯電話となかなか結びつきづらいイメージがありましたが、現在そこに変化が生じています。

そのキーワードとなるのが「カースマ」です。「カースマ」とは、スマートフォンとクルマをつなげることで、音楽・地図情報・アプリ・検索機能などスマートフォンが持つコンテンツを、車内でも楽しもうとする動きのこと。ここ数年で、「カースマ」関連アイテムや、ドライブ用のスマートフォンアプリなども、数多く登場しています。

今回トレンド総研では、この「カースマ」をテーマに、トレンドの専門家である商品ジャーナリスト・北村森氏のコメントや、スマートフォンユーザーへの意識・実態調査、メーカー担当者へのインタビュー内容などをご紹介してまいります。

▼レポートサマリー

【インタビュー】 商品ジャーナリスト・北村森氏に聞く、「カースマ」注目の背景

◆スマートフォン時代の新戦略・・・「対抗」ではなく「共存」がカギに

◆コンテンツ相性が抜群なスマートフォンとクルマをつなげる「カースマ」という考え方

◆“ドライブをより楽しみたい”というニーズが「カースマ」をきっかけに顕在化

【意識調査】 スマートフォンユーザーたちの、「カースマ」に対する興味・関心

◆運転・ドライブ時、「車内でもっとスマートフォンを活用したい」・・・スマートフォンユーザーの8割が回答 

◆「自家用車とスマートフォンがつなげられると、運転・ドライブはもっと快適になると思う」…81%が回答 

【企業取材】 メーカー担当者に聞く、業界の「カースマ」最新事情

◆スマートフォンとクルマが生み出す、新しいシナジー

◆ユーザーニーズをかなえる「カースマ」アイテムは需要も高い

◆これまでカーエレに関心がなかった層においても、「カースマ」が興味喚起のきっかけに

1、【インタビュー】商品ジャーナリスト・北村森氏に聞く、「カースマ」注目の背景   

はじめに、トレンドの専門家である、商品ジャーナリスト・北村森氏に、近年「カースマ」が注目を集めるようになった背景についてお話を伺いました。

◆スマートフォン時代の新戦略・・・「対抗」ではなく「共存」がカギに

ここ数年で、一気に普及した「スマートフォン」。スマートフォン人口が増えるにつれて、デジカメ、ゲーム、書籍、音楽、動画など、一定の市場を持っているものが、どんどんスマートフォンにとりこまれるようになってきました。

少し前までは、こうしたスマートフォンの動きを敵対視する企業も多く、さまざまな業界でスマートフォンへの「対抗」策がとられていた印象があります。それが、最近では逆にスマートフォンと「共存」しようという動きが目立つようになってきました。例えばカメラ業界では、スマートフォンが登場したことで、新しくスマートフォンとリンクした製品が発売されるようになったほか、スマートフォンを通じて写真を撮る楽しさがより身近になり、本格的にカメラに興味を持つ人が増えたことで、一眼レフカメラの人気底上げにもつながっているようです。

このように、現在は、消費者の多様化するニーズに対応すべく、さまざまな業界でスマートフォンを通じた新しい価値提案が生まれています。その中でも、今特に注目なのが、スマートフォンとクルマをつなげる「カースマ」というキーワードです。

◆コンテンツ相性が抜群なスマートフォンとクルマをつなげる「カースマ」という考え方

そもそも、携帯電話×自動車という組み合わせそのものは以前から存在していました。例えば、モジュールが組み込まれた自動車や、ハンズフリーで電話ができる車が登場したのは十数年前です。しかし、これらはごく一部の高級車に限られており、また利用方法も音声通話が中心でした。

一方で、前述の「カースマ」は、通話以外の要素が非常に大きいと言えます。もともとスマートフォンには、地図・音楽・動画・検索機能など、ドライブと相性のよい様々なアプリケーションが入っています。「カースマ」とは、こうしたスマートフォンをクルマとつなげることで、車内でもスマートフォンのコンテンツを楽しもうとする動きです。スマートフォンは、いろいろなニーズに対応できる楽しさや便利さを持ち合わせていますが、それが次第にドライブシーンにも広がってきていると考えられます。また最近では、自家用車とスマートフォンが、車載機を通じて簡単にリンクできるようになったことで、より車内でもスマートフォンのコンテンツが楽しみやすくなりました。

◆ “ドライブをより楽しみたい”というニーズが「カースマ」をきっかけに顕在化

今後「カースマ」は、クルマを楽しむ上での新たなスタイルとして確立されていくと考えられます。これまでクルマのアイテムにこだわらなかった人の間でも、クルマとスマートフォンをつなげる「カースマ」というスタイルが登場したことで、ドライブをより楽しみたいというニーズが顕在化されていくのではないでしょうか。前述のカメラ業界の話と同様に、「カースマ」をきっかけとして、カーナビ・カーオーディオなどの車載電子機器(カーエレクトロニクス)への敷居も下がり、市場も拡大していくと予想されます。

それにあわせて、スマートフォン側のコンテンツもより充実していくでしょう。例えば、スマートフォンのアプリについても、ドライブシーンを想定したエンタメコンテンツや、運転サポートのコンテンツが登場しはじめています。また、非常事態が起きた時の位置情報を発信するなど、「カースマ」ならではの可能性も期待できます。

【専門家プロフィール】

北村 森 (きたむら・もり)

商品ジャーナリスト

「日経トレンディ」編集長時代から、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターとしても活動。退職後、商品ジャーナリストとして活動。原稿執筆、テレビ、ラジオ番組への出演、講演活動などとともに地方自治体と連携する形で地域おこしのアドバイザー業務にも携わる。著書に『途中下車』(河出書房新社)、『ヒット商品航海記』(日本経済新聞出版社 共著)。

2、【意識調査】 スマートフォンユーザーたちの、「カースマ」に対する興味・関心

続いて、スマートフォンユーザーたちの「カースマ」に対する興味・関心の度合いを探るため、「スマートフォンとクルマ」をテーマにした意識・実態調査をおこないました。

[調査概要]

調査名:「スマートフォンとクルマ」に関する意識・実態調査 

調査対象:20~34歳 スマートフォンユーザー男女500名  ※自家用車を所有しており、普段から運転の習慣があるドライバーの方

調査期間:2013年11月18日(月)~11月20日(水)   調査方法:インターネット調査

◆運転・ドライブ時、「車内でもっとスマートフォンを活用したい」・・・スマートフォンユーザーの8割が回答

まず、「(自動車の発進前・停止中などに)車内でスマートフォンを利用することはありますか?」という質問をしたところ、「よくある」と答えた人が48%、「たまにある」と答えた人が36%という結果に。合計すると、8割以上のドライバーが、発進前や停止中のタイミングなどに、普段から車内でスマートフォンを利用していることになります。

ちなみに、車内でよく利用しているスマートフォンの機能としては、「地図・GPS」(46%)、「インターネット(検索・サイト閲覧)」(40%)、「音楽再生」(27%)、「ハンズフリー通話」(18%)などが上位に。すでにドライブと相性のよいさまざまな機能が活用されているようです。

また、「運転・ドライブにおいて、車内でもっとスマートフォンを活用したいと思いますか?」という質問では、81%が「そう思う」と答えました。ドライバーの、車内でのスマートフォン活用意向は非常に高いことがわかります。

◆「自家用車とスマートフォンがつなげられると、運転・ドライブはもっと快適になると思う」…81%が回答

なお、車内においてスマートフォンをさらに活用する上では、車載機などを通じてスマートフォンとクルマをつなげるという方法があります。

しかし、実はこうした活用ができているユーザーはまだ少数派のようで、「スマートフォンの音楽を、自家用車のステレオからでも聞けるようにつなげていますか?」という質問において、「つなげている」と回答した人は39%と4割未満に。また、「スマートフォンの画面を、自家用車のディスプレイでも見られるようにつなげていますか?」という質問で「つなげている」と答えた人は17%と1割台にとどまりました。スマートフォンとクルマをつなげるというアクションに対しては、まだまだ難しそうという誤解があるのかもしれません。

また、前述の質問で「つなげていない」と回答した人の60%は、そもそも「つなげられること自体を知らなかった」と回答しています。車内でもっとスマートフォンを活用したいという気持ちは持ちつつも、実際には何をしてよいのかわからない人も多い様子がうかがえます。

そこであらためて、 「自家用車とスマートフォンがつなげられると、運転・ドライブはもっと快適になると思いますか?」と聞くと、81%と大多数の人が「そう思う」と回答しました。

今後、スマートフォンとクルマが実は簡単につなげられ、さまざまな楽しみ方ができるという点が認知されることで、「カースマ」というスタイルはますます拡がっていくと考えられます。

3、メーカー担当者に聞く、業界の「カースマ」最新事情

さらに今回は、パイオニア販売株式会社マーケティング部・内田有喜氏に、関連業界の「カースマ」への対応実態について、お話をお伺いしました。

◆スマートフォンとクルマが生み出す、新しいシナジー

スマートフォンの登場後、特にカーオーディオやカーナビなどを扱うカーエレクトロニクス業界においては、スマートフォンは「敵対視」されがちだった印象があります。というのも、スマートフォンがあれば、車載機がなくても、端末を使って音楽を聞いたり、道を調べたりすることができてしまうため、市場が縮小してしまう懸念があったのです。

一方当社では、スマートフォンとクルマによって生み出される新しいシナジーに可能性を感じ、早い時期からスマートフォンを使ってもっと楽しいドライブの形を提案したいと考えていました。スマートフォンの価値をクルマに取り込むことは、新しいチャンスを生みだすことにつながると思ったのです。

現在では、カーエレクトロニクスへの興味・関心が高い方に向けた従来製品だけでなく、スマートフォンとクルマをつなげる役割を果たす車載機の売上も好調で、スマートフォンをきっかけに、新たにカーエレクトロニクスへの興味をも持つ方が増えてきていると感じます。現場からも、それぞれの志向にあわせた機種を展開していることで、お客様からの評判も良いという声があがっています。

◆ユーザーニーズをかなえる「カースマ」アイテムは需要も高い

そもそも、スマートフォンで使えるアプリケーションには、音楽・動画などのエンタメコンテンツ、地図・検索機能などのドライブサポート要素など、クルマと相性のよいものが数多くあります。スマートフォンをクルマの中で使えたら便利で楽しそうと思うのは自然の流れでしょう。しかし、運転中にスマートフォンを操作するのは危ないですし、現状ではドライブ中にスマートフォンをうまく活用している人はまだまだ少ないようです。

こうした中で、車載機を通じて音楽を聞いたり、ナビゲーションを使ったり、画面をタッチ操作したりと、手軽にスマートフォンのコンテンツが楽しめる「カースマ」アイテムは、目的やニーズにあわせて選ぶことができ、多くのドライバーに受け入れられています。また最近では、車載機側だけではなく、運転サポートなどドライブシーンを意識したアプリケーションが登場しており、今後「カースマ」の波は、ますます加速していくと考えられます。

◆これまでカーエレクトロニクスに関心がなかった層においても、「カースマ」が興味喚起のきっかけに

実際に、スマートフォンとリンクした「カースマ」アイテムを売り出したことで、これまでカーエレクトロニクスにそれほど興味・関心がなかった方々も、カー用品店に足を運んでくださるようになりました。通勤・通学などで使っている音楽アプリなど、日常で楽しんでいることがそのままクルマの中でも楽しめることに、大きな魅力を感じていただいているようです。車載機は、「高額」「接続が難しい」などハードルが高いという誤解も多いようですが、目的やニーズごとに豊富なラインアップを展開しており、1万円前後のリーズナブルな製品もあるため、手軽に始めることが可能です。弊社のホームページの中でも、クルマの中での楽しみ方が見つかるカースマページ(http://pioneer.jp/carrozzeria/museum/carsma/)は、実際アクセスも多いので手ごたえを感じています。

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

グラフ1

グラフ2

商品ジャーナリスト・北村森氏

パイオニア販売株式会社マーケティング部・内田有喜氏

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