C型慢性肝炎に対する経口薬のみによる治療薬を世界に先駆けて日本にて承認申請

●DCV/ASV併用療法による国内第III相試験が実施され、医療上のニーズが高いジェノタイプ1b型の患者に対して84.7%のSVR24を達成。●インターフェロン治療不適格の未治療/不耐容患者では87.4%の割合でSVR24を達成。65歳以上の高齢患者においては、SVR24を達成した患者は91.9%。

2013年11月6日

ブリストル・マイヤーズ株式会社

C型慢性肝炎に対する経口薬のみによる治療薬を世界に先駆けて日本にて承認申請~インターフェロン及びリバビリンを必要としない新たな治療選択肢

本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が11月2日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースを日本語に翻訳し、皆さまのご参考に供するものです。この資料の内容および解釈につきましては、オリジナルである英文が優先することをご了承ください。

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●ダクラタスビル(DCV)とアスナプレビル(ASV)の併用療法(以下、DCV/ASV併用療法)による国内第III相試験が実施され、医療上のニーズが高いジェノタイプ(遺伝子型)1b型の患者に対して、84.7%のSVR24を達成。

●DCV/ASV併用療法は、インターフェロン治療不適格の未治療/不耐容患者では87.4%の割合でSVR24を達成。65歳以上の高齢患者においては、SVR24を達成した患者は91.9%であり、既存の治療を受けることができない日本の多くのC型慢性肝炎の患者に対して新たな治療選択肢を提供。

●本試験によるDCV/ASV併用療法では、有害事象による中止率は5.0%と低く、重篤な有害事象の発現率も5.9%と低い値を示す。

●11月5日(火)に米国肝臓学会議(AASLD)においてウイルス性肝炎に関するプレジデント プレナリーセッションで発表。

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(ニュージャージー州プリンストン、2013年11月2日)

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(本社:アメリカ・ニューヨーク/CEO:ランベルト・アンドレオッティ)は、本日、インターフェロン及びリバビリンを必要としない世界初の経口薬のみによるC型慢性肝炎の治療薬を日本において製造販売承認申請したことを発表しました。この申請は、日本のC型慢性肝炎の患者のうち、ジェノタイプ1bのC型肝炎ウイルスに感染している患者を対象に、DCV/ASV併用療法を24週間行った国内第III相試験の結果に基づき行われています。この試験の治療終了24週後におけるウイルス学的著効(SVR24)の達成率は、DCV/ASV併用療法を受けた全患者群に対して84.7%、インターフェロン治療不適格の未治療/不耐容患者では87.4%、インターフェロン及びリバビリン治療が無効の患者では80.5%でした。

 この第III相試験データは、11月5日(火)にワシントンD.C.で開催された第64回米国肝臓学会議(AASLD)のウイルス性肝炎に関するプレジデント プレナリーセッションで発表されました。

 現在、世界で1億7,000万人がC型肝炎ウイルスに感染しています。日本では約120万人がC型肝炎ウイルスに感染していると推定されており、その約70%が既存の治療法では効果が得られにくいジェノタイプ1bのC型肝炎ウイルスに感染していると言われています。また、日本人のC型慢性肝炎の患者の多くは65歳以上であり、さまざまな疾患に関連した合併症を有するために現在の治療法であるインターフェロンを含む治療を使用できない、またはインターフェロン療法への忍容性が低いと言われています。

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社研究開発部門のグローバル開発/メディカルアフェアーズ担当シニア・バイスプレジデントのブライアン・ダニエルズ(MD)は、「今回の日本における承認申請によって、多くのC型慢性肝炎の患者さんに対して新しい治療選択肢を提供するという目標に一歩近づいたことを大変嬉しく思います。日本では、他の国よりも高齢のC型慢性肝炎の患者さんが多く、ジェノタイプ1bの感染者が大部分を占めるとされています。治療効果に影響を及ぼすこれら2つの要因を考慮すると、この試験で用いたDCV/ASV併用療法によって、日本のC型肝炎治療が大きく進展する可能性があります」と述べています。

 なお、第III相試験で使用されたこの治療法での有害事象による中止率は5.0%、重篤な有害事象の発現率は5.9%といずれも低い結果が示されました。試験で最も一般的に認められた有害事象は鼻咽頭炎でした(30.2%、222例中67例)。

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<<試験のデザインおよび結果>>

 この非盲検並行群間第III相試験では、インターフェロン治療不適格の未治療/不耐容患者(n=135)とインターフェロン及びリバビリン治療が無効の患者(n=87)を対象に、DCV 60 mg 1日1回投与とASV 100 mg 1日2回投与を24週間にわたって併用しました。主要評価項目は、投与終了24週後におけるウイルス学的著効達成率(SVR24)としました。

<ウイルス学的治療効果>

・SVR24達成率は、インターフェロン治療不適格の未治療/不耐容患者では87.4%(135例中118例)、インターフェロン及びリバビリン治療が無効の患者では80.5%(87例中70例)であり、両患者群において高い割合が示されました。65歳以上のSVR24達成率は65歳未満のSVR24達成率とほぼ同じで、年齢はSVR24達成率に影響しないことが示されました。65歳以上のSVR24達成率は、インターフェロン治療不適格の未治療/不耐容患者で91.9%(62例中57例)、インターフェロン治療無効患者では85.2%(27例中23例)でした。

・性別、年齢、ベースライン時のHCV RNA量や肝硬変の有無、ならびに(治療効果の指標となる)IL28B遺伝子型など、従来、インターフェロンの治療効果に影響すると考えられてきたベースライン因子によってSVR24達成率に臨床的な重要な差は認められませんでした。

・投与期間中のウイルス再燃率及び投与終了時のHCV RNA検出率は7.7%(222例中17例)と

低く、投与終了後の再発率も8.3%(205例中17例)と低い結果となりました。

 治験責任医師の広島大学医学部 茶山一彰教授は、「DCV/ASV併用療法に関する第III相試験により、特に、治療が困難な患者群にとって素晴らしい結果が得られました。承認された際には、現在の標準治療であるインターフェロン療法ではSVRが達成できない日本のC型慢性肝炎の患者さんに新たな治療選択肢を提供できることになります。」と述べています。

<投与時の安全性>

 投与中の死亡例は報告されておらず、投与中止率も12.6%(222例中28例)と低い結果となりました。重篤な有害事象の発現率は5.9%(222例中13例)と低く、10%以上の患者で認められた有害事象はわずかでした。主な有害事象として、鼻咽頭炎(30.2%、222例中67例)、ALT上昇(15.8%)、AST上昇(12.6%)、頭痛(15.8%)、下痢(9.9%)及び発熱(12.2%)が報告されました。3%以上の患者でみられたグレード3または4の臨床検査値異常は限られていました。

 有害事象が原因で投与を中止した患者は11例で、そのうち10例が肝機能の指標であるALT/ASTの上昇による中止でした。早期に投与を中止したにもかかわらず、これらの患者のうち80%がSVR24を達成し、すべてのALT及びAST値が正常まで回復しました。

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<<ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のC型肝炎ポートフォリオについて>>

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のC型肝炎領域のパイプラインには、さまざまな作用機序を持つ化合物が含まれ、生物学的製剤と直接作用型の低分子抗ウイルス剤の両方の研究開発に取り組んでいます。これらの化合物は、幅広い患者タイプ等におけるSVR率の向上を目的とし、複数の新規治療法の一つとして開発されています。

・当社が開発中のNS5A複製複合体阻害薬ダクラタスビル(DCV)は、複数のDAA(直接作用型抗ウイルス剤:Direct-acting Antiviral Agents)を用いた併用療法の基本薬として、これまでに数千人の患者に対して臨床試験が行われています。DCVは、in vitroではHCVのジェノタイプを問わない抗ウイルス活性を持つことが明らかになっています。DCVは、さまざまなHCV併用療法における継続的な研究開発をサポートする薬物相互作用プロファイルを有しています。

・アスナプレビル(ASV)は、DCVベースとした併用療法を構成する薬剤の1つとして開発中のC型肝炎に対するNS3プロテアーゼ阻害剤です。

・BMS-791325は、DCVベースとした併用療法を構成する薬剤の1つとして第II相試験の開発段階にあるC型肝炎に対するNS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド系阻害剤です。

・ペグインターフェロンラムダは、インターフェロンの治療が必要であるか、または推奨される患者を対象として、ペグインターフェロンアルファの代替候補として治験中のIII型インターフェロンです。

<<C型肝炎について>>

 C型肝炎ウイルスは、肝臓に感染するウイルスであり、感染患者からの血液または血液製剤に直接接触することによって感染します。世界で推定1億7,000万人がC型肝炎ウイルスに感染しており、ジェノタイプ1は最もよく見られるものです。C型肝炎ウイルス感染者の約90%が、ウイルスを体内から排除できず、慢性肝炎となります。世界保健機関(WHO)によると、C型慢性肝炎の患者の20%が肝硬変に進行し、そのうち25%までが肝がんに進行します。日本では、C型肝炎ウイルスの感染は、慢性肝炎および肝硬変の最大の原因であ

り、約120万人がC型肝炎ウイルスに感染していると言われています。

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<<ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について>>

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、重篤な疾患を持つ患者を治療するための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的なバイオファーマ企業です。詳細については、www.bms.com、またはツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。

<<ブリストル・マイヤーズ株式会社について>>

 ブリストル・マイヤーズ株式会社は、「深刻な病気を持つ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供すること」をミッションとする、グローバル製薬企業ブリストル・マイヤーズ スクイブ カンパニーの日本法人です。伝統的な製薬企業としての基盤と最先端のバイオテクノロジーという2つの特徴を兼ね備えた「バイオファーマ」戦略を掲げ、いまだ十分な治療法がない疾患領域を中心に革新的な医薬品を提供できるよう、世界に約27,000人以上の社員が事業に従事しています。詳細についてはhttp://www.bms.co.jp/にてご覧ください。

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<<ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述>>

 本プレスリリースは、医薬品の研究、開発、および販売について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、これらの化合物の臨床試験が規制当局への申請の裏付けとなる、あるいは、本リリースで説明した化合物が規制当局の承認を受ける、また承認を受けたとしても商業的に確実に成功するという保証はできません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズスクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2012年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。

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