WIRED presents 「CREATIVE HACK AWARD 2013」授賞式

2013年10月1日

コンデナスト・ジャパン

WIRED presents

「CREATIVE HACK AWARD 2013」授賞式

日本のクリエイティヴシーンを盛り上げる

クリエイター8名が決定!

世界で最も影響力のあるアイデア&イノヴェイションマガジン『WIRED(ワイアード)』は、次世代のクリエイター発掘のため、ワコム協賛のもと「CREATIVE HACK AWARD 2013」を開催いたしました。本日受賞8作品が決定し、東京アメリカンクラブにて授賞式を行いました。

マンガ、アニメ、ゲームなど、かつての日本のクリエイティヴコンテンツは、クールの象徴として世界を席捲する強力なパワーを有していましたが、昨今そのパワーは確実に衰えています。当社では、このような状況に危機感を覚え、日本のクリエイティヴシーンを再び盛り上げ支えていく「人材」を発掘し、次なるステップへと進むきっかけをもたらすべく、本年、初めてこのアワードを立ち上げ、6月25日(火)から9月2日(月)まで作品を募集しました。

 全国各地より総計245件の応募があり、日本のクリエイティヴシーンを代表する9名の審査員の厳正かつ公正な選考の結果、7名の受賞者(グランプリ1名、準グランプリ1名、グラフィック部門賞1名、ムーヴィー部門賞1名、ベストプラン賞1名、ワコムスポンサード賞2名)と、一般投票によるパブリック賞1名の、計8名の受賞者が決定しました。授賞式には、受賞者7名と審査員9名が出席。受賞者それぞれから喜びのコメントと、審査員長の総評をいただきました。

 今回のテーマは、「日本―NEW CREATIVE OF JAPAN」。世界のクリエイティヴシーンの「いま」と「これから」を見据えたうえで、日本から発信する意味がある“新しい”クリエイティヴを、そのコンセプトとともに募集しました。審査では、「今後日本のクリエイターに求められる資質、あるいはクリエイターが担うべき領域とは何か」という点を重要視。「既成概念を壊して(=ハックして) 、前へと進む野心とヴィジョン」を何よりも大切にする中で、その表現やコンセプトから、世界と伍するためのビジネスマインドやコミュニケーション能力の感じられる作品を高く評価しました。結果として、今後の日本のクリエイティヴシーンを意識した、全く新しいクリエイティヴィティを発揮した作品が受賞を果たしました。

 グランプリと準グランプリの受賞者には、特典として、アメリカのクリエイティヴ企業を訪問するツアーの機会を提供します。『WIRED』は、日本のクリエイティヴシーンを再び盛り上げ支えていくクリエイターとなるよう、受賞者の更なる成長を支援していきます。

【審査員の総評】

審査委員長 石川光久(プロダクション・アイジー代表取締役社長)

審査を通じて、面白い作品を作るには、やはり作者が面白くないといけないのだな、と感じました。

今の時代、アナログからデジタルになったことで、技術も才能もデジタル化してアウトプットされてしまい、本物の才能なのか偽物の才能なのかが分かりにくい世の中になっています。また、今の時代は個性が育ちにくい時代でもあると感じています。

そんな時代だからこそ、その人が心からやりたいと感じ、根詰めて作った作品こそが、人々の心を揺さぶるのだと思います。今回受賞した作品も、そういった作品でした。この純粋な気持ちを大切に、今後も創作に励んで欲しいです。

【「CREATIVE HACK AWARD 2013」 受賞作品  テーマ「日本―NEW CREATIVE OF JAPAN」】

●グランプリ

「47seconds」 山田(やまだ)智和(ともかず)(25)、映像クリエイター、東京都在住、ムーヴィー作品

  

「時間」というとても大きな流れがあって、その流れの中で、そのルールに則って、私たち人間が生きている。

現代社会では不平等に扱われる「時間」を渋谷という象徴的な舞台と一人の人物を通じて表現する。

【受賞のコメント】

本日はこのような素敵な機会と素敵な賞をありがとうございます。自分の作品はCGとか音声とかつけていないのでどうかなと思っていたので、このような賞をもらえてうれしいです。この先も世の中に良い作品を送りだしていけるよう精進していきたいです。ありがとうございました。

●準グランプリ

「DOUZO DOUMO」(どうぞ、どうも) 宇田川(うだがわ)直(なお)哉(や)(34)、デザイナー、東京都在住、

企画作品(アイデアのみでの応募)

DOUZO&DOUMO(どうぞ と どうも)は、

日本的な感覚を利用し、差をマッチングするウェブサービス。

「どうぞ」は分配。配慮。好意。"ゆずる"という美しい精神そのもの。

「どうも」はお礼。かしこまり過ぎない。照れ隠し。

でも感謝をあらわさずにはいられない。

日本の美意識を世界に。

【受賞のコメント】

他の方とジャンルが違うのでどうかな、と思いましたが、いただけて嬉しいです。ありがとうございます。

●ムーヴィー賞

「忍者動態活写~Ninja vividly moving~」 uwabami(25)、イラストレーター、東京都在住、

ムーヴィー作品

「一度では見きれないアニメ」

【受賞コメント(代理)】

Uwabamiの二人はアメリカでの武者修行中です。二人もきっと喜んでいると思います。早く

受賞を伝えたいです。ありがとうございました。

●グラフィック賞

「Crack is beautiful. ガラス呼継 (よびつぎ)」 西中(にしなか)千人(ゆきと)(48)、

クリエイター、千葉県在住、グラフィック作品

今、ガラスというグローバルな素材に日本の美意識をのせて、

叩き壊し、継ぎ、生まれ変わる。そして、創造が古の美意識を

未来へと繋げていく。

*呼継(よびつぎ)とは、伝統的な陶芸の修復技法である金継

(きんつぎ)の一種。陶器の壊れて足りなくなった部分に別の

陶片を埋め合わせて漆で留め、継ぎ目に金を蒔くもの。修復と

は本来、もとの通りに戻すもの。欠点を逆手に取って魅力に変えてしまう。

日本でしか生まれなかった美意識。

【受賞のコメント】

ノリで全然違うジャンルから応募したらこういう賞をいただいちゃってすごくうれしいです。ありがとうございます。

●ベストプラン賞

「リビルド野球劇場」 雨本(あまもと)洋輔(ようすけ)(27)、イラストレーター、東京都在住、企画作品(アイデアのみ

での応募)

「リビルド・野球劇場」は、テレビ野球中継の試合展開主導のセオリーを解体し、球場で起こる無数のドラマを捉えなおす「日本文化再考のきっかけづくり」をコンセプトにした映像作品。現在はテレビから姿を消しつつある野球中継。この作品で焦点を当てたいのは、「野球中継のセオリーとそのリビルド」。

現在の野球中継は、カメラワーク・スイッチング、データテロップ、リプレイ、CMの挿入、実況と解説などを駆使して、「ボールの行方=試合展開」に有効なカットを繋いでいくことを前提に成り立っている。この技術を、本作品を通して、テレビ野球中継の楽しみ方に再発見をもたらすことで、「野球を観る」という文化を捉え直すきっかけづくりにしたい。

【受賞のコメント】

普段は絵を描いていまして、(応募の締め切り)期日が迫っていてずっと考えていた好きな野球の話を応募しました。本当にうれしいです。ありがとうございました。

●ワコムスポンサード賞

「CPR PROTOCOL」 加藤(かとう)貴大(きだい)(24)、専門学校生、愛知県在住 、ムーヴィー作品 

「刺激」をコンセプトとし、感覚で人を引きつけるための表現を追求。

また、映像そのものが「刺激」となることを追求。

表現テーマには映像発信の原点である、ブラウン管テレビを使用。

通常発生させない走査線やダメージ、画面から発する光線によって、激しい光や荒れた画面を断片的に映し出し、ヒトの機能としての視覚を刺激。

また、古い技法と新しい技術の掛け合わせで生まれるアイデアによって生み出される表現こそ、クリエイティブであるはずという思いから、ブラウン管テレビ、その存在がなくなるであろうノイズを採用。

「刺激で魅せ、五感で見る」という映像が新しい道なのではないか。

サブカルチャーとして確立された「JAPAN」から新たな刺激を発信していく。

【受賞コメント】

自分の創ったものがこうして評価していただいて純粋にうれしいです。ありがとうございました。

「After I Die Stroke Stone Ver.1.0」Tai Doishita(23)、大学生、東京都在住、ムーヴィー作品

「着地&浮遊のドローイングプロセスの後のデコード問題としてストローク」。

アイデアを思いついたとき、計画をするとき、私たちの注意はペン先の運動とともにいます。この浮遊運動のストロークをはじめるまえに、私が私であるかどうかが問題とならない領域での深い思考をあらかじめ要求する、動かすのに労力がいる人々に実際に存在する環境を作成。

私たち個々の脳だけでなく、人工生命にも、奇妙だが自生的で、ユニークな「うなり」が作品に必要なのではないかということだけでなく、描いたさまざまなストロークの余韻が私たちの世代の後の余韻も内在してゆくという、世代を超えたストロークの受け渡し運動が生成されている、拡張された運動の概念での神話の生成とは何かについて作品は問いかける。

【受賞コメント】

写真を現像するように、私の言動を現像させる機械を作って、その機械を映した映像を作りました。それを評価していただき、すごく嬉しいです。これからも頑張ります。

●パブリック賞

「School Aquarium」、日浦(ひうら)晴子(はるこ)(24)、専門学校生、神奈川県在住、ムーヴィー作品

世界に向けてクリエイティヴを発信することの意味は、やはり、日本人のもつ感性、感覚、価値観、共通認識などを世界の人々に理解してもらうことなのではないだろうか。世界で受け入れられるものをつくる時こそ、日本人なら日本人であることを忘れてはいけないし、その感性を大切にしなければならない。「日本人にとっては懐かしく、世界に人々にとっては新しい」それが、この作品のコンセプトである。

【受賞のコメント】

まさかこんな賞がもらえるとは思っていなかったので、びっくりしています。ありがとうございました。

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