大型動物を用いた局所脳冷却によるてんかん治療法の開発に成功

山口大学医学部脳神経外科(鈴木倫保教授)は、ネコとサルのてんかんに対して、脳冷却治療が成功したことを、米国サンディエゴで発表した。チタン製デバイスで脳温を15℃にすると発作が抑制され、デバイスを3か月留置しても動物は運動能力等に異常なく生存した。今後はてんかん患者への体内埋込装置の開発を目指す。

2012年12月11日

山口大学医学部脳神経外科

大型動物を用いた局所脳冷却によるてんかん治療法の開発に成功

 国立大学法人山口大学大学院医学系研究科の脳神経外科の研究チーム(鈴木倫保教授)は、九州工業大学大学院生命体工学研究科、静岡大学工学部との共同研究により、ネコとサルを用いたてんかん発作誘発モデルに対して、局所脳冷却による治療効果が確認されたことを、本年12月1日(日本時間12月2日)、サンディエゴで行われた米国てんかん協会年次総会の併設プレス発表の席で公開した。この装置の開発により、てんかん発作を持つ患者を対象とした体内埋込型の局所脳冷却装置を用いた治療の実現性が高まった。

 開発に成功したのは同大学大学院医学研究科脳神経外科の藤井正美准教授・野村貞宏講師・井上貴雄研究員らの機能脳神経外科グループ。これまで、大脳冷却によるてんかんの抑制効果はラットなどのげっ歯類を用いた実験や、難治性てんかん患者のてんかん焦点(外科的切除部位)に対する術中臨床研究により確認されていた。しかし、臨床応用を想定した長期にわたる繰返し冷却の安全性については確立されていなかった。

 本研究では、局所脳冷却用チタン製埋込型のデバイスのてんかん焦点に対する治療効果をみるため、ネコとサルの大脳皮質運動・感覚領域に3ヶ月以上留置した。結果は極めて良好で、冷却性能は3ヶ月以上維持され、大脳皮質を15度以下で冷却することにより、実験的に誘発されたてんかん様のけいれん発作が抑制された。ネコ、サルとも冷却研究中の3か月は合併症なく生存し、運動能力などの神経機能に異常をきたすことはなかった。

 会場には臨床応用の可能性や時期等に関する質問と期待が寄せられた。今後は、引き続きサルを用いて、冷却による知能や記憶などの高次脳機能への影響を調べるとともに、医療機器メーカーとの共同開発並びに医工連携の継続による埋込型治療装置の開発を目指す。

【問合せ先】

国立大学法人山口大学大学院医学系研究科脳神経外科

〒755-8505 山口県宇部市南小串1-1-1 山口大学医学部脳神経外科教室

http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~neuro-w1/

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