2009年3月30日

ゼロ系食品の受容性・商品訴求力の調査・分析

2009年3月30日

株式会社NTTアド

0(ゼロ)で現状リセット
メタボ健診を契機に、“0”に魅せられて市場拡大
健康志向で、スッキリ味のゼロ系食品を積極的に購入する人が8割超え
~NTTアド 「ゼロ系食品の受容性・商品訴求力の調査・分析」実施~

 株式会社エヌ・ティ・ティ・アド(以下「NTTアド」 東京都品川区、代表取締役社長:中山哲夫)は、カロリーゼロや糖類ゼロといった栄養成分と0(ゼロ)の組み合わせによる表記を商品名としたり、パッケージ表示した“ゼロ系食品”について、その受容性・商品訴求力などの調査・分析を行いました。 
 調査は、NTTアドのCGM分析サービス『CGM Watch(TM)』※による2008年1年間にエントリされたブログの分析、2009年2月6日~9日に行った10歳~60歳の男女500人を対象にしたインターネットアンケート形式の受容・購入調査、ブランドデータバンク株式会社の消費者データベースによる「ゼロ系食品購入者」についてのプロファイル作成の、3つの手法により総合分析を行いました。
 2003年5月、健康増進法に基づく栄養表示基準により、栄養成分を“含まない”あるいは“低い”といった強調表示の基準が適用されて以来、“ゼロ・ノン・低・ロー・フリー”といった表示の商品が様々に登場してきましたが、昨年2008年4月に特定健康診査・特定保健指導 (いわゆるメタボ健診)制度が導入されたことで、一気に市場拡大が進み、人々の話題となったように思われます。

 今回の調査・分析の結果は、以下4点に集約されます。
 ●栄養成分軽減食品に関するブログの増加は、メタボ健診への関心の高まりが契機となっている。しかし、商品はメタボとは無関係な若い世代にも広く受容され、8割を超える人々がいずれかの商品をよく購入すると回答している。
 ●日頃よく購入する商品は「炭酸飲料」がトップで、「発泡酒・ビール」「チューハイ」の順。購入理由は「ダイエット」、「健康」、それに「味がすっきり」が続いている。
 ●インパクト・機能性の面から指示される表現は「ゼロ」。購入喚起の面からも、ブログでの話題性の面からも、「ゼロ系」が主流となっている。
 ●栄養成分軽減食品の市場は、大きくは、積極的購入を行う健康志向層と、選択的購入を行う健康不安層による2層からなると考えられる。


 NTTアドでは、これからも、市場調査とCGM分析という消費者の生の声を分析する手法を併用することで、より立体的に消費者像をイメージ化するべく調査研究を続けます。


<考察>
 一般に、栄養成分軽減食品のブームは、2008年4月施行の“メタボ健診”(特定健康診査・保健指導)が市場を広げたと考えがちであるが、必ずしもメタボに代表される健康不安者の購入によってのみ支えられえているわけではないようだ。
 市場を支えるのは、積極的購入を行う健康志向層と、選択的購入を行う健康不安層の2つの層と考えられる。前者が促す炭酸飲料、ヨーグルト、チューハイ市場、後者が促すビール・発泡酒市場と括ることもできよう。
 健康志向層は、健康体維持、あるいはダイエット“気分”消費で、栄養成分軽減食品を選択していると考えられる。このため、ブログに書き込む食品名と関連付けた記載内容は、自分の嗜好とダイエットである。特に炭酸飲料は、多くが健康管理とは無縁の10代が中心となっている。また、チューハイの購入理由は「ダイエットに良い」に続き、「味」が言及されている。
 健康不安層が支える市場としては、発泡酒・ビールジャンルにおける栄養成分軽減食品が考えられる。調査結果では、購入理由は「健康に良いから」が6割を超える一方、味の評価はあまり行われていない。中心購入層は、男性30歳以上であり、健康管理が“必須”となってくる層である。
 従来、ノンシュガー食品に代表されるように、ノン系オフ系食品は健康不安者のための商品という傾向が強かった。が、現在の栄養成分軽減食品のブームを牽引するのは、健康管理上は必ずしも栄養成分の軽減を必要としない人々のように考えられる。健康志向層の選択基準は、ストイックな数値管理というよりも、概して、いかに“気分”を演出できるかという面が大きい。ノンでも無でもなく、0(ゼロ)という、曖昧さを断ち切るような表現が好まれるのも、“ゆるい”日常をリセットしたいという気持ちが背景にあるのかもしれない。


<調査結果抜粋>
1.ブログ記事分析
  ①栄養成分軽減食品は、メタボ健診への関心を契機にブログで語られることが増え、その後、カロリー系食品を中心に、独自のテーマとして定着の傾向
   40歳以上を対象とした“メタボ健診”が2008年4月より義務化スタートとなったが、個人のブログにおいてもメタボ関連の記載は、08年年初よりなだらかな増加を見せ、特に6月以降9月にかけて話題の盛り上がりが認められる。
   カロリー系・糖質系・脂質系、各栄養成分軽減食品(*脚注参照)の記載を並べてみると、メタボ関連の記載の増加と連動するような増加傾向が認められる。3者では、当初、糖質系食品が最も多かったが、6月にカロリー系食品が急増し、以降、他を大きく超えるエントリを示している。
   メタボ関連のブログ記事は10月以降、急激にエントリ数が減少し、話題性が薄れた傾向が窺えるが、これに比べ、栄養成分軽減食品については、秋以降も減少傾向は緩やかで、独自の項目としてブログに取り上げられている状況が想定される。

  ②栄養成分軽減食品のネーミングは、ノン系からゼロ系へ
   “ゼロ”表記の食品(ゼロ系食品)のエントリ数は、2月に、“ノン”表記の食品(ノン系食品)のエントリ数を逆転し、以降、上回る状態が続いている。特に、6月~8月にかけて数が急増し、その後も数多くのエントリが行われた。
   ノン系食品も8月にはゼロ系に迫るエントリ数があったものの、以降は大きく低減する傾向を示した。
   栄養表示基準上、“ゼロ”も“ノン”も同じ“含まない”基準値を示す規定にあるものの、ブログ上の話題はゼロ系食品が主流となっている。

  ③ブログで記載されるゼロ系食品の中心は「コーラ」「コーヒー」。次いで、「ヨーグルト」「ゼリー」。
   「アルコール飲料」の出現数は、「コーラ」「コーヒー」の4割に留まる。新商品ではあっても、ブログで“語る”にはやや適さない題材ということか。

  ④記事内容を分析すると「美味しいなどの嗜好」関連が最も多く、次いで「ダイエット」関連の記載であった。「健康」は比較して2割程度の出現に留まる。“美味しくダイエット”という気分消費が、“軽減表示”食品を語る視点といえるかもしれない。



2.受容・購入調査
  ①“ゼロ・ノンまたはノー・オフ・低”といった言葉が入った商品で思い浮かぶジャンルのトップは、「発泡酒・ビール」77%、次いで「炭酸飲料」64%、「チューハイ」53% という結果であった。
   また、自分で最もよく購入するものとしては、「炭酸飲料」24%、「発泡酒・ビール」15%、「チューハイ」9%の順となり、コーヒー8%、キャンディ・飴8%と続き、いずれかのジャンルを回答した人は80%を超える結果となった。

  ②「ダイエット」と「健康」が栄養成分軽減食品購入の2大理由。加えて、「すっきりした味」が購入ポイント
   「食品ジャンル別では「発泡酒・ビール」は「健康」、「チューハイ」は「ダイエット」と「すっきり味」が決め手
   メタボ健診スタートの40代は、食品購入の場面でも健康が気にかかる年代
   最も良く購入する商品ジャンルの購入理由としては、「ダイエットに良さそうだから/良いから」(購入経験者の41%)、「健康に良さそうだから/良いから」(38%)、「味がすっきりしていそうな気がするから/すっきりしているから」(26%)の順であった。

   購入理由を商品ジャンルごとにみると、炭酸飲料では43% チューハイでは49%が「ダイエット・・・」が理由であったが、発泡酒・ビールでは「健康・・・」理由が61%で、「ダイエット・・・」46%より多い結果となった。
   また、チューハイでは、「味がすっきり・・・」という理由も33%で「健康・・・」より多く、アルコール飲料でも、発泡酒・ビールとチューハイでは、異なる傾向が認められた。
   また、年代別にいずれの購入理由を挙げているか比べてみると、40代では53%が「健康・・・」を挙げている。
   メタボ健診の始まる40代は、日常の食品購入においても、健康意識が高まる年代と考えられる。

  ③“ゼロ”と、“ノー” “無”は異なるもの? “ゼロ”が人々を魅了する
   インパクトが強い言葉、および、機能面が訴求されている言葉を、“ゼロ”“ノンまたはノー”“無”“オフ”“ロー”“低”“フリー”から選択してもらった結果、どちらも“ゼロ”が一番目の選択となった。
   また、 個々の言葉が、購入してみたいと思う言葉/表示であるかを尋ねた結果も、“ゼロ”については63%が「購入してみたい」と回答し、他の言葉/表示の購入意向の数値を大きく上回った。
   “ゼロ”という表現がもつ魅力を確認する結果となった。

  ④いまどきの10代は「ヘルシー志向」
   30歳を迎えたら、健康管理は“ノリ”から“必須”項目に転換
   日頃の生活態度を年代別に見ると、20代では「特に気にしていないし何もしていない」29%、「健康に良いと思うような生活を心掛けている」27% であるのに対し、10代では、36%が「健康に良い生活を心掛けている」と回答、「特に何もしていない」31%より多く、10代の“ヘルシー志向”が現れた。
   一方、30代以降では、「健康が気になる/気にしている」という回答が41%と最も多かった。
   また、年齢が増すにつれ、「医療関係者からの指示を受けている」「生活改善をめざすようアドバイスされている」と健康指導を具体的に受けている人が増える傾向にある。
   30代以降、健康志向は“ノリ”から“必須”に変化しつつあると考えられる。



3.プロファイル分析
  ブランドデータバンク(株)(http://www.branddatabank.com/)の消費者データベースを用いて、“ゼロ系食品購入のプロファイル化を試みた。結果、以下のような特徴が認められる。
  (※ブランドデータバンクの対象者は、炭酸飲料、清涼飲料におけるゼロ系食品の購入者のデータが含まれていないため、発泡酒、チューハイの購入者のプロファイルが中心になっている)

   ①情報収集に向けたアンテナが高い
    雑誌は購読者も多くジャンルも多彩、インターネットのSNSサイトのアクセスも多い。たくさんの情報に囲まれていたいと思う一方、すべての情報を信頼しているのではなく、どちらかといえば、「視覚」に訴える情報を信頼する傾向にある。
   ②ダイエット志向がある
    無糖・ノンシュガー・脂肪ゼロなど、低カロリーであることが一目でわかる商品を好んで購入。お茶は、ダイエット効果が期待できるもの。カップラーメンよりもカップ春雨。
   ③身だしなみには気を配る
    メイク商品は時には高価なものも購入。男性も専用の洗顔料を愛用。制汗剤の購入率も高く、ガムも清涼感あるものを購入。洋服は落ち着いたデザインのものが好き。
   ④お酒が好き
    洋酒・日本酒・ワイン・ビール・焼酎、ジャンルを問わず、アルコールは購入。カロリーは気にしつつ、極めて良く飲むタイプの人々。ビールはコクのあるものより、すっきりした味わいを好んで購入する人が多い。
   ⑤スポーツ愛好者
    調査対象43競技の内、41競技で参加率が全体平均を上回るという、スポーツ愛好者像。最も多いのはゴルフだが、テニス・水泳は平均を大きく上回る参加率を示している。
   ⑥健康を意識している
    スポーツは楽しみつつも、アルコールも好む生活は、ストイックな健康生活を送っているとは言い難いが、ビタミン剤・サプリメント・ドリンク剤などの購入率は高く、野菜ジュース、成分名が明確にうたわれた種類の機能性飲料も良く飲んでいることから、健康“的”な生活は目指していると思われる。

   結論として「新しいものへの好奇心が高く、情報も積極的にチェック、中でも視覚に訴える情報を好む健康“志向”な人たち」と考えられる。



<調査概要>
1.ブログ記事分析
  ■対象期間:2008年1月1日~2009年1月4日
  ■検索ワード:以下32ワードの“or検索”  

2.受容・購入調査
  ■調査手法:インターネット調査
  ■調査対象:首都圏在住の10~60歳個人男女 有効回答者500人
        年代5区分(10代/20代/30代/40代/50-60代)&性別で均等割付
  ■調査期間:2009年2月6日~9日
3.プロファイル分析
  ■調査手法:インターネット調査
  ■調査対象:ブランドデータバンク 総サンプル数 30,213人より、ゼロ系食品をよく購入する人 3,321人          
  ■調査期間:2008年12月2日~2009年1月5日

<言葉の定義>
今回の調査研究における言葉の定義は以下のとおり
■栄養成分軽減食品・・カロリー、脂質、糖類、コレステロール等の栄養成分を軽減し、その言葉に、ゼロ、ノン、オフ、の軽減を意味する係り言葉とともに商品名や、パッケージの表記などに使われている食品
■ゼロ系食品・・・栄養成分軽減表示食品のうち、軽減を意味する係り言葉としてゼロ(含0、ZERO)を使用している食品
■ノン系食品・・・栄養成分軽減食品のうち、軽減の意味を持つ言葉のうち、「含まない」を意味する係り言葉としてゼロ以外の言葉、ノー、ノン、無、フリーを使用している食品
■オフ系食品・・・栄養成分軽減食品のうち、「低い」を意味をする係り言葉のうち、オフ、低、を使用している食品
なお、健康増進法に基づく栄養表示基準では、「含まない」「低い」とも基準値が定められており、「含まない」旨の表示も必ずしも数値上、全く含んでいないことを意味するものではない。


 *CGM Watch(TM)
  CGM(Consumer Generated Media)は、ブログやSNSなどコンシューマーがネット上で自ら発信するメディアの総称で、現在急速にその数を増やすと同時に、消費者の購買行動に影響を与えるメディアとして注目が集まっています。そのCGMを感性レベルで分析を行うレポーティング型CGM分析サービスが『CGM Watch(TM)』です。
NTTデータが商品化した高精度日本語処理エンジン「なずき(R)」をエンジンに用いる『CGM Watch(TM)』は、ブログ記事を人間の感性により近い理解・分析をすることが可能です。従来のサービスが、ポジ、ネガ、その他の3つにしか分類できなかったのに対して、『なずき(R)』を採用した「CGM Watch(TM)」は、ポジ、ネガ、その他を、さらに81種類の感性項目に分類できます。
『CGM Watch(TM)』は、株式会社NTTアドの登録商標です。 『なずき(R)』は、株式会社NTTデータの登録商標です。

[関連リンクURL]
http://www.ntt-ad.co.jp/