2008年5月7日

母親になるのにベストな国ランキング~日本は31位、トップはスウェーデン、最下位はニジェール

2008年5月7日

社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

    母の日に関する国際NGOレポート
母親になるのにベストな国ランキング~日本は31位
 トップはスウェーデン、最下位はニジェール

子どもたちのための民間の国際援助団体(NGO)セーブ・ザ・チルドレンは、母の日を機会に母親に注目することで子どもについて考えるきっかけを作るため、毎年、母親になるのにベストな国ランキング「母親指標(Mothers’Index)*1」を発表しています。9回目の今年は過去最多の146ヶ国における母親と子どもの状態を比較しています。
その結果、今年日本は31位となり、昨年の29位から2つ順位を落としました。2005年にランキング対象国となって以来、最低のランキングになっています。(2005年14位、2006年12位)

例年通り母親指標の上位は北欧の国々が、下位はサハラ砂漠以南のアフリカの国々が占めています。国別ではトップはスウェーデン、最下位はニジェールになりました。
トップ10ヶ国は、母親と子どもの健康面や教育、経済状態に関して、非常に高い指標を達成しています。一方下位10ヶ国は、すべての指標において相反する数値を示しています。

【母親指標~母親になるのに最も適した国】
■ベスト5
1位 スウェーデン
2位 ノルウェー
3位 アイスランド
4位 ニュージーランド
5位 デンマーク
(31位 日本)

■ワースト5
142位 アンゴラ
143位 シエラレオネ
144位 イエメン
145位 チャド
146位 ニジェール

日本のランクは母親指標で31位、「女性指標」で36位、「子ども指標」で6位となっています。
5歳以下の子どもの死亡率が低いことや、就学率が高いことなどから「子ども指標」では昨年同様上位にランクされていますが、一昨年の1位に比べると順位を落としています。また近代的な避妊手法の使用率が51%、女性の国政レベルでの参加率が9%と低いことや(上位国ではそれぞれ70%超、30%超)、男女間賃金格差が北欧国より平均して1.5倍高い、など女性指標において低いランキングとなっているため、母親指標のランキングを低下させる結果となりました。

【上位にランキングされる国の各指標と日本比較】
■女性指標*2
1位 スウェーデン
2位 ニュージーランド
3位 アイスランド
4位 オーストラリア
5位 ノルウェー
(36位 日本)

■子ども指標*3
1位 イタリア
2位 ドイツ
3位 フランス
4位 スウェーデン
5位 ベルギー
(6位 日本)

【2008年母親指標 概要】
ランキングトップのスウェーデンと最下位のニジェールでは各方面で著しい格差がありました。例えば妊婦と子どもが受けられる健康に関する公共サービスのうち、出産時の専門スタッフの立会いは、スウェーデンではほぼ行き渡っていますが、ニジェールでは33%しか行われません。一般的なスウェーデンの女性は、17年間の公教育を受け、平均寿命は83歳です。72%の女性が近代的な避妊法を用い、5歳になる前に子どもを亡くす母親は185人に1人です。対照的にニジェールでは、一般的な女性は3年以下しか教育を受けられず、平均余命は45歳です。4%の女性しか近代的な避妊法を用いず、4人に1人の子どもは5歳の誕生日を迎えられません。この死亡率は、すべての母親が子どもの死に苦しむことを意味します。
“次々と明らかになる貧富の格差~子どもの権利を侵害”
今回のレポートでは初めて途上国55ヶ国に対しヘルスケア調査を行い、出産前、出産時の専門的ケア、下痢や肺炎の予防処置など、基本的なヘルスケア状況を調査しました。これらの国々を総合すると世界の5歳以下の子どもの人口の60%を数えますが、死亡する子どもの割合では83%を占めます。貧富の格差が子どもの生存率に強く影響していることは明らかです。対象国下位30ヶ国では幼い子どもの半分以下しかヘルスケアを受けられません。また、すべての5歳以下の子どもが基本的なヘルスケアを受けられるよう努めているトップのフィリピンでも、最も貧しい子どもたちは基本的医療を受けられない可能性が3.2倍も高いなど、あらゆる貧富の格差が広がり、子どもの権利を侵害しています。

母親の健康状態が子どもの健康状態を決定づけるので、母親になるのにワーストな国では女性も子どもも若くして死ぬのは驚くに当たりません。豊かな国と貧しい国における母親の健康状態には大きな開きがあります。豊かな国々では、 女性は基本的なヘルスケアを受けることができ、出産は通常喜びの瞬間です。しかし貧しい国々では、専門的トレーニングを受けたスタッフはほとんどもしくは全くつかないのが現状です。特にワースト10の国々では子どもを亡くす、という人生の耐え難い苦しみにあう可能性が全ての母親にあります。この格差を縮め母親と子どもの状況を改善するために、国際社会は、特に最貧国の母親とその子どもたちのために、母親に教育と収入機会、そして基本的なヘルスケアを提供するよう、より一層努力することが求められます。

【母親指標に基づく各国の比較】
◇アフガニスタン、アンゴラ、ニジェール、シエラレオネでは4人に一人の子どもが5歳の誕生日を迎えることができません。
 スウェーデンでは333人に1人の子どもしか5歳になる前に亡くなることはありません。
◇女性が子どもを持つ中で、アフガニスタンでは8人に一人が妊娠もしくは出産時に亡くなります。日本は、11,600人に一人の割合です。
◇スワジランドに生まれた女の子は30歳の誕生日を迎える前に死亡しますが、日本に生まれた女の子は86歳まで生きます。日本女性の平均余命は世界一となっています。

≪参考≫
*1「母親指標(Mothers’ Index)」
146ヶ国における母親の状態は、下記の母親と子どもの指標をベースに比較しています。
①産婦死亡のリスク 
②現代的な避妊手法の使用 
③訓練を受けた医療従事者の立会いの元での出産 
④女性の平均余命 
⑤女性の公教育期間 
⑥男女間の給与所得の比率 
⑦産休・育休制度 
⑧女性の国家レベルでの政治への参加 
⑨5歳以下の子どもの死亡率 
⑩5歳以下の子どもの栄養不良児率 
⑪就学率 
⑫初等教育就学の男女比 
⑬安全な水の利用率 
*2「女性指標(Women’s Index)」は、主に上記指標の①~⑧を中心に比較しています。
*3「子ども指標(Children’s Index)」は、主に上記指標の⑨~⑬を中心に比較しています。




[関連リンクURL]
http://www.savechildren.or.jp/